温又柔さん(左)

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(東京 20日 中央社)第157回芥川賞の受賞作が19日夜発表され、小説「真ん中の子どもたち」でノミネートされていた台湾人作家、温又柔さんは受賞を逃した。温さんは中央社の取材に対し、「これからも書き続けていく」と創作意欲を示した。

温さんは1980年、台北市生まれ。3歳の時に父親の仕事の関係で東京に移り住み、日本で育った。現在も中華民国のパスポートを有している。2006年に法政大学大学院・国際文化専攻修士課程を修了し、2009年に「好去好来歌」ですばる文学賞佳作を受賞。2016年には「台湾生まれ 日本語育ち」で日本エッセイスト・クラブ賞を獲得した。芥川賞の候補入りは初めて。

落選が決まった後に更新したツイッターでは、「『日本語は、私たちの言葉でもある。日本は、私たちの国でもある。政治家がそれを言えないのなら、小説家の私が言う』。今夜、テレビで、そう言いたかった。それが叶わなかったことだけが、少しくやしい」と悔しさものぞかせていた。

受賞作は沼田真佑さんの「影裏(えいり)」。

(黄名璽/編集:名切千絵)