「グローバルホーク」(ノースロップ・グラマン提供)=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓米は先の首脳会談で、韓国軍の有事作戦統制権(指揮権)の米軍から韓国軍への早期移管に向けた協力で合意した。韓国軍も早期の移管に意欲を見せ、有事作戦統制権の行使に必要な攻撃手段や北朝鮮偵察手段の確保に多額の国防予算を振り向けているが、まだ目立った成果は出ていない。

 特に、北朝鮮の状況をリアルタイムで把握するための衛星写真と映像情報の大半は米軍から提供を受けており、この現状を変えなければ韓米の連合防衛を韓国軍が主導する日は遠いと指摘される。
 韓国軍は米軍への依存度を下げるため、北朝鮮全域を監視できる偵察機と偵察衛星の確保に全力を挙げている。
 軍は高高度無人偵察機「グローバルホーク」を2018年と19年にそれぞれ2機導入する予定だ。グローバルホークは20キロの上空からレーダーや赤外線センサーなどで地上にある30センチ大の物体までも識別できる。空軍はグローバルホークをはじめとする中・高高度無人航空機を運用する偵察飛行団を20年に創設する計画だ。
 また、20年に1基、21年と22年に各2基の偵察衛星を戦力化する計画だ。この5基の戦力化により、平均2〜3時間以内に北朝鮮の移動式ミサイル発射台を探知できるようになる。偵察衛星はミサイル基地など北朝鮮の軍事施設を密着監視でき、弾道ミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃を加えるシステム「キルチェーン」の中核戦力に挙げられる。軍は来年から、偵察衛星が送ってくる北朝鮮地域の映像情報を分析するシステムの構築に入る計画だ。
 軍は韓国国内で開発する中核装備を衛星に搭載する計画だが、開発が遅れる可能性などを考慮し、偵察衛星4〜5基をイスラエルやドイツなどの海外から借り受けて北朝鮮の核・ミサイル脅威に備えることも検討している。早ければ来年初めにも契約が結ばれる見通しだ。

 軍は現在、北朝鮮の情報を収集するため、「白頭」「金剛」の別名を持つ「RC800」、「RF16」などの偵察機を運用している。RC800は最高1万3000メートルまで上昇し、傍受による信号情報は中朝国境の白頭山地域まで、映像情報は北朝鮮の金剛山の北側まで収集できる。現状では平壌の映像情報は収集できない。
 軍は時速120〜150キロ、作戦半径80キロの無人偵察機「ソンゴルメ(ハヤブサ)」も運用している。一度離陸すれば最高4キロの上空で4時間滞空し、北朝鮮軍の映像情報を収集する。昼間は南北軍事境界線(MDL)の北側20キロの地点まで、夜間は10キロの地点まで撮影可能だ。

 国防部の国防科学研究所(ADD)は、ソンゴルメの約2倍の高度と作戦半径を持ち、悪天候でも映像を収集できる高性能な無人偵察機を開発中だ。
 軍関係者は「運用中の偵察機で主に平壌より南側の情報を収集し、その情報を米国から提供される衛星情報などを用いて比較・分析し、精密なデータを抽出している」と説明した。
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