シリア戦のスタメン予想。今野のコンディションは気になるところだ。

写真拡大 (全2枚)

 6月7日に味の素スタジアムで戦うシリアは、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督曰く“仮想イラク”。本番(6月13日のワールドカップ最終予選のイラク戦)を想定しての貴重な親善試合だが、おそらくベストメンバーを組む可能性は低いだろう。
 
 中村航輔(柏)、宇賀神友弥(浦和)、三浦弦太(G大阪)、加藤恒平(PFCベロエ・スタラ・ザゴラ)をA代表に初選出(中村は昨年10月に行なわれた日本代表候補のGK合宿に呼ばれたことはある)した点からも、ハリルホジッチがシリアとのフレンドリーマッチでなにかしらチャレンジしたい意図は見受けられる。
 
 さすがに、直近のタイ戦(3月28日)からスタメン全員を入れ替えるようなギャンブルには出ないだろう。これまで主力を担ってきたメンバーを軸に据えつつ、新戦力などを試すスタンスでシリア戦に臨むに違いない。
 
 3トップは右から本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(レスター)、原口元気(ヘルタ・ベルリン)か。大迫勇也(ケルン)と久保裕也(ヘント)はシーズン通しての蓄積疲労を考えると、ベンチスタートが妥当。つまり、大迫と久保はイラク戦に向けて温存する可能性が高いというわけだ。
 
 シーズン後半になってヘルタ・ベルリンで出番が少なくなかった原口元気にとっては、コンディションを確かめる意味でもシリア戦は重要なゲームになりそう。ただ、乾貴士(エイバル)の足首の状態が良ければ、サブに回っても不思議はない。いずれにしても、左ウイングは原口と乾の争いになる。
 
 快足自慢の浅野拓磨(シュツットガルト)は、「イラク戦で最後の15分に相手の背後を取る選手が必要になるかもしれません」というハリルホジッチ監督のコメントを鵜呑みにすれば、スーパーサブ的な位置づけだ。
 
 長谷部が戦線離脱中の中盤はもっともスタメンを読みにくいセクションだろう。国内組の合流が6月3〜4日あたりとなると、トップ下は海外組の香川真司(ドルトムント)が先発か。G大阪でほぼフル稼働している倉田秋の疲労度を考慮するなら、そうなる。
 ボランチの一角は今野泰年(G大阪)で決まりだろう。3月のUAE戦で左足小指を骨折した影響でコンディションに不安があるのはハリルホジッチ監督も承知しており、“もし間に合えば”という条件付きだが、5月25日現在ではシリア戦でテストされることが濃厚だ。
 
 もうひとりのボランチは山口蛍(C大阪)、遠藤航(浦和)、井手口陽介(G大阪)のいずれかになる。驚きの招集となった加藤恒平(PFCベロエ・スタラ・ザゴラ)はMFで「7番目」とハリルホジッチ監督もコメントしているように、いきなり試合で使われる可能性は低い。
 
 山口、遠藤、井手口のなかでもっとも計算できるのが山口(長谷部が不在の現状ではボランチの一番手)だとするなら、テスト色の強いシリア戦では遠藤を先発させるかもしれない。実際、ハリルホジッチ監督も「今もっともデュエルで勝っているDFかもしれません。イラクのようなパワー系のFWが揃うチームとの対戦では良い活躍を見せてくれそう」とコメントしている。
 
 ちなみに、ハリルホジッチ監督は遠藤をボランチとして呼んでいる。浦和では3バックの一角を担う遠藤を、ハリルホジッチ監督はCBとして起用した試合はここまで一度もない。
 
 4バックの最終ラインでスタメン予想が難しいのが、吉田麻也(サウサンプトン)のパートナーだ。森重真人(FC東京)の落選により、槙野智章(浦和)か昌子源(鹿島)の一騎打ちになるが、代表経験が上なのは槙野、4バックに慣れているのは昌子と甲乙付け難い。ここでは代表歴を優先して前者をスタメンと予想したものの、昌子の可能性も十分。初招集の三浦弦太(G大阪)は代表練習でのアピール次第か。