ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

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大声援から一転して大ブーイング、ファンは早々に球場を去る

 14日(日本時間15日)の本拠地アストロズ戦で、自己ワースト1回2/3を8失点KOされたヤンキース田中将大投手。奇しくもこの日は元主将デレク・ジーター氏がつけた背番号「2」を永久欠番とするセレモニー当日だった。ダブルヘッダーの第1試合と第2試合の間に行われた式典では、球場を埋めた満員のファンが大歓声を送ったが、その約1時間後、球場は大きなブーイングに包まれ、ファンは次々と家路に就く異常事態となった。ソーシャルメディア上でも、ヤンキース・ファンがやるせない気持ちを吐露。「ジーターの特別な日を台無しにしてくれた」「リスペクトが足りない」など、田中に厳しい言葉がぶつけられた。

 第2試合の先発を任された田中は、始球式でストライク投球したジーター氏を拍手で見送り、マウンドへ。元主将の特別な日に、エース然たる投球を披露すると誰もが信じて疑わなかった。が、試合はまったく予想しない展開を見せた。

 スプリンガーに先頭打者弾、続くレディックに2者連続弾を運ばれたところまでは、ファンもまだ落ち着いていたが、2死満塁からブレグマンに左中間席へ満塁ホームランを運ばれると、客席からは悲鳴にも似た声とため息、そしてブーイングが飛び出した。さらに、マウンドへ戻った2回、先頭スプリンガーに2打席連続弾を浴び、ベルトランの右翼フェンス直撃二塁打で1失点。自己最短1回2/3で61球(39ストライク)を投げ、自己ワースト8失点を喫して降板するエースに容赦ないブーイングを浴びせた。

「タナカはキャリア最悪のスタートだった…」「…タナカからの贈り物」

 田中が自己ワーストタイの4被弾をする間にもツイッター上には、ファンの辛辣なコメントが次から次へ寄せられた。

「タナカがジーターの特別な日を台無しにしてくれた」
「2回までに8失点したおかげでデレク・ジーターの日に早く球場を出たよ。ありがとう」
「タナカがジーターの夜を破壊した。今夜ゴジラがタナカの元を訪れますように」
「タナカはリスペクト(RE2PECT)が足りないんじゃないか」
「ジーターの日にタナカからの贈り物」
「相手の2番(ブレグマン)がジーターに見えたのでは」
「タナカはキャリア最悪のスタートだった。今までの最悪は今季開幕戦」
「タナカはプロ最悪のパフォーマンスをするのに間違った日を選んでしまった」

 ヤンキース一筋で20年の現役生活を終えたジーター氏がヤンキース・ファンにとってどんな意味を持つのか、そしてこの日がどれほど大きな意味を持つのか、田中が知らないわけがない。2014年に一緒にプレーした大先輩の特別な日の好投を一番願っていたのは田中自身だろうが、結果として残すことができなかった。今季は開幕戦でも3回途中7失点と炎上してしまった右腕は、ファンやチームからの信頼を取り戻すことができるのだろうか。