中村俊輔がU-20W杯に挑む日本代表を激励 「胸が熱くなった」と目を輝かせた選手も

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磐田との練習試合前にU-20日本代表のもとを訪れる

 20日開幕のU-20ワールドカップ韓国大会に出場する日本代表の逸材たちにとっては、最高のサプライズになったようだ。

 12日の17時30分からジュビロ磐田とトレーニングマッチを行ったU-20日本代表だが、キックオフの約1時間前に嬉しいサプライズがあった。今季から磐田でプレーする元日本代表MF中村俊輔が選手たちのもとを訪れ、自らの体験談を語り激励した。

 中村は桐光学園高から横浜マリノス(現横浜F・マリノス)に加入したプロ1年目の1997年、マレーシアで開催されたワールドユース選手権(現U-20W杯)に参戦。山本昌邦監督が率いるチームではMF大野敏隆とダブル司令塔を組み、攻撃を牽引。柳沢敦、永井雄一郎という強力な2トップにスルーパスを次々と通し、ゲームをコントロールした。グループリーグはスペイン戦1-2、コスタリカ戦6-2、パラグアイ戦3-3で2位突破。ラウンド16でオーストラリアに1-0で勝利するも、準々決勝では延長戦の末にガーナに1-2と敗戦。中村は5試合にフル出場し、コスタリカ戦で1ゴールするなど日本の2大会連続ベスト8に貢献し、その後の進化の足がかりをつかんだ。

 2007年途中から約1年間にわたって磐田を指揮した内山篤監督が、現在のU-20日本代表を率いている経緯から、中村は激励の依頼を受けて快諾したというが、知らされていなかった選手にとっては嬉しい驚きとなったようだ。

「世界レベルを肌で感じてもらいたい」

「自分のレベルと世界のレベルを図れる貴重な場になると思う。そのレベルに自分は達しているのか、それとも遅れをとっているのか。それを肌で感じてもらいたい」

 中村は自らの言葉に真剣に耳を傾ける若手へ、こう語りかけたという。ワールドユース後の1998年にA代表合宿に初参加したレフティーは、その後2000年のシドニー五輪出場を経て日本代表の主力となるなど、順調にキャリアの階段を駆け上がった

 世界の中での自らの立ち位置を測る物差しを求めて、02年夏に当時“世界最強リーグ”と呼ばれていたセリエAのレッジーナに移籍。05年夏にはUEFAチャンピオンズリーグで各国リーグの実力者と対戦するために、スコットランドの名門セルティックに移籍した。

 中村の言葉を聞いたある主力選手は、「胸が熱くなりました」と目を輝かせていた。

 15歳の神童として注目を集める久保建英(FC東京U-18)ら期待のタレントを揃えるチームは、南アフリカ、ウルグアイ、イタリアという列強と戦う。磐田との練習試合をスタンドから優しい視線で見つめたファンタジスタが願うように、この大会で飛躍のキッカケをつかむことができるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images