ノーゴールに終わった大久保。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ5節]FC東京 3-3 鳥栖/4月1日/味スタ

 負けに等しいドローに終わった後、大久保はポツリとこう言った。
 
「サッカー、したいね」
 
 大久保はFC東京の戦い方に疑問を感じているようだった。守備から入っているはずの今季のチームがあんな簡単に崩されていることに納得がいっていないようだった。
 
「攻撃的なチームならこういう試合になる。でも、ディフェンシブなチームがこういう試合になるのは珍しいのかなと。(鳥栖の)豊田に蹴って、そのセカンドボールを拾われて入れられている。ディフェンシブなチームだったら、まずありえない。そこが問題よね」
 
 一番の問題は、今季のスタイルが定まっていないところにあるのかもしれない。実際、大久保は次のように指摘している。
 
「攻撃もチグハグ。蹴られて、一本のミスでやられて……。なにかな、ラグビーかなと思うぐらいの感じになっちゃう。FC東京がどういうサッカーをしたいのか、勝ったからOKでは成長しないと思うし、優勝もできない。そういうところを見つめ直して、今までできなかったことをやる努力をしたい」
 
 攻撃面では「チャレンジしない」ことを問題していた。最前線で孤立気味になり、ボールが出てこない状況にも苛立ちを隠せない大久保は、そのチャレンジの重要性を説いた。
 
「最後のところでチャレンジがないからね。だいたいサイドにいってセンタリングでしょ。サイドに出すと見せかけて、ドーンと縦に入れるアクションがあってもいい。そういうジャブがないと。ジャブがきいて、初めてサイドが生きる。そうすると、シュートも打てる」
 
 確かに、今季のFC東京には攻撃に迫力がない。
 
「ボールホルダーのことをみんな見ているだけだから。攻めれないなら、ミスを突く、セットプレーで取るとなるけど、それは今までのFC東京。変わりたいのなら、チャレンジしないと、してほしいね。なんというか、最後のところで逃げのパスになっている。思い切りがない」
 
 冷静を装いながらも大久保の言葉に熱がこもっていた。「FC東京を変えたい」──。その思いは現実のものとなるのだろうか。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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