森口祐子が語るイ・ボミの強さとは?3年連続賞金女王へ死角はあるのか(撮影:上山敬太)

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3月2日(木)から行われる「ダイキンオーキッドレディス」で2017年の国内女子ツアー開幕。今年の見どころや展望をツアー通算41勝を挙げている森口祐子に話を聞いた。
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第1回は昨年の賞金女王イ・ボミ(韓国)について。ユン・チェヨン(韓国)やアン・シンエ(韓国)らの日本参戦、昨年まで試合数が限られていた有村智恵、諸見里しのぶのフル参戦でますます強豪が集まった今シーズン。3年連続賞金女王に死角はあるのか。

ボミさんには3年連続で賞金女王になれる力が十分にあると思います。年齢的にも体力あるし、スタッツを見ても全ての精度が他の人たちよりも高いです。
あとは賞金女王を守るというよりもチャレンジャーという気持ちでやれるといいのですが、これだけの成績ですから、どうしてもみんなが束になって追いかけてくるという気持ちにならざるを得ないと思います。そこに彼女がどう取り組んでいくか。頂点に立っている人間だからこその難しさはあると思います。
死角と言いますか、注意すべきは“精神的な疲労”でしょう。ゴルフというのは「何かを維持しよう、守ろう」としたときに、成績が伴わないとメンタル面の疲れがどっと出てきて、たとえ体力があっても頑張れないスポーツです。また、技術だけでもシーズンは持ちません。全てがタフじゃないとできないものです。気持ちのコントロールがカギとなってくるでしょう。
特にボミ選手は昨年の「日本女子オープン」の時に肉体的だけでなく精神的な疲労も伴い無念の棄権をしています。「メジャーが欲しい」と言い続けてきた中で、本人としてもとても残念だったと思います。ですから今年は「精神的に厳しい状態にならないように」と考えてシーズンを送ると思いますが、2年目、3年目となると気持ちに折り合いをつけるのがどんどんハードになってきます。
とはいえ彼女はこれまで技術を強化することで精神面を克服してきた経験がある。3年くらい前は短いパットを結構外すことがあって、「勝負どころで弱いね」って言われてたんですから。それをパターが上手くなることで自分の心をオブラートに包むことに成功しました。昨年もオフの間にアプローチを磨き、「外しても大丈夫」と思えるようになったことでセカンドショットへのプレッシャーを軽減するなど克服してきました。そんなボミ選手なら、今年のオフもさらにレベルアップして、女王戴冠への準備を整えて開幕を迎えてくれるでしょう。そうなると賞金女王になる確率はすごく高いと思いますよ。
解説・森口 祐子(もりぐち・ゆうこ)/1955年4月13日生まれ、富山県出身。通算41勝を挙げ、日本女子ツアーで6人しかいない永久シード保持者の1人。一男一女の母でもある。現在は解説者としても活躍中。

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