正当な根拠に基づいて下した決定が不当だと受け止められるのは往々にしてあることだが、中国メディアの新浪は9日付で、日本が中国を市場経済国として認定しないと決めたことに対し、「中国の顔を何度も平手打ちする」行為だと反発した。(イメージ写真提供:123RF)

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 正当な根拠に基づいて下した決定が不当だと受け止められるのは往々にしてあることだが、中国メディアの新浪は9日付で、日本が中国を市場経済国として認定しないと決めたことに対し、「中国の顔を何度も平手打ちする」行為だと反発した。

 記事は日本政府がこのほど、中国を市場経済国として認定しない方針を固めたことに言及し、日本政府の見解として「中国政府が補助金などを通じて中国国内の産業を保護していること」が市場経済国認定に対する障害になったと伝えた。

 さらに日本政府の方針に対し、「中国の市場経済の地位を認めないことは、日本政府が中国に対して各種の関税また反ダンピング関税をかけるのに有利になる」と説明したうえで、「これは中国の顔を平手打ちする行為である」と反発した。

 一方で記事は、ロシア科学院遠東研究所のあるスタッフの見解として、「日本が中国の発展を抑えつけようとしているのは明らか」と主張。同スタッフは「日本や欧州連合、米国が中国の市場経済の地位を認めようとしないのは、この日米欧がある共通の認識を持っているからだ」と説明、その共通の認識とは「中国は強力なライバル」だということと論じた。

 また記事は、日本や米国、欧州連合が中国の市場経済国としての地位を認めない事実は、日米欧のグローバル競争力の低下を反映していると主張し、中国が複数の産業で日米欧の企業の競争力を超えていることがその証左であると主張した。

 欧州連合、米国、日本が中国を市場経済国として認めないという基本方針を固めたのは、正当な理由に基づくものだ。自国のやっていることを棚に上げ、自分たちの思いどおりにならないことは批判する姿勢は中華思想そのものだが、日本の決定を受け入れられないとして日本を罵るより、日米欧が示した認識に基づいて問題点の改善に取り組むほうがどれだけ建設的だろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)