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 芸能プロダクションのジャニーズ事務所が19日、チケット転売サイト『チケットキャンプ』が開催している“ジャニーズ応援キャンペーン”について、無許可で行われているものという抗議文を公式サイトに掲載した。

 チケット転売サイト『チケットキャンプ』は東証マザーズで上場するミクシィの100%子会社。『チケットキャンプ』では、の全国ドームツアー「 ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are You Happy?」のチケット売買の取引成立分については取引手数料が無料になるという「ジャニーズ応援キャンペーン」を無許可で行っていたと告発している。

チケットキャンプ』は転売屋にとって商売の場になっていたようで、のドームツアーでもチケットの不正売買や譲り渡しが多数発覚していた模様。それら無効となった転売チケットの中には『チケットキャンプ』で転売対象となったものが多数含まれていたと、ジャニーズ事務所が公表している。ではなぜ、転売屋はいなくならないのか。

「転売はよっぽどバカじゃない限り儲けは出せます。ジャニーズのチケットは、ステージに近い席が当たった時の儲けが凄い。は特にすごい人気ですから、定価約1万円のチケットが50万円になることもありました。その分当たりにくいワケですが……」

 と語るのは、ある現役の転売屋だ。

「転売は最初にチケットを買うための資金さえあれば、誰でも儲けられます。最近ではその資金を融通する金主もいるくらい。もちろん、ミスをしないやり方や、効率よく稼ぐ方法はありますけど。僕は主にジャニーズを扱ってまいます。ジャニーズのチケットは転売屋の入り口にもなるくらい、儲けやすいんです」

 彼らはどのようにしてジャニーズの人気チケットを大量に入手しているのか、そんな疑問に対しても答えは単純明快だった。

「人気のチケットって、結局は当たる、当たらないといった運の部分が強い。ここがポイントで、ファンクラブは通常、一つの住所で一口しか入会できないのですが、いっぱい入っていたら当たる確率も上がりますよね? だから安い部屋を契約したり、友人の家や住所を月々1万円とかで借りて、ファンクラブの入会口数を増やすんです。それら架空の住所は外れた時のリスクと当たった時の儲けを計算しながら、増やしたり減らしたりしています。今までの経験上、チケットがどれだけ外れても、年間で考えると一つの住所で約50万円は儲けられる計算です」(前出・転売屋)

 ファンやマニアからの需要はいくら高くても、彼らの行為は完全なる違法行為。チケットの不正売買に目を光らせるジャニーズ事務所が『チケットキャンプ』に抗議するのは当然の行動だったといえるだろう。

文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。