イラン戦では最終ラインを牽引する中山の出来も鍵に。持ち前の対人守備で、攻撃の芽を摘めるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 中山雄太にとって、イラン戦は自身の真価が問われる一戦と言えそうだ。

【U-19アジア選手権 日本3-0イエメン】小川、岩崎、原のゴールで初戦を飾る
 
 柏の下部組織からトップチームへ昇格して2年目の今季は、ビルドアップや対人能力を評価されてCBの主軸に定着。リーグ戦では、ここまで25試合に出場して2得点という成績を残している。
 
「レイソルで試合に出れているからこそ、この場に立っていられるんだとも思っている。この代表チームに呼ばれた以上は、勝利にこだわってプレーしたい」
 
 そう覚悟を決めて臨んだイエメンとのグループリーグ初戦では、球際での力強さと的確なラインコントロールで最終ラインを牽引。「後ろはしっかり堪えようと思っていたし、トミ(冨安)ともそういうふうに話し合っていた」というなかで、決定的なチャンスは与えなかった。
 
 イエメン戦での完封勝利から中2日で迎える今回の相手は、グループ最大のライバルと目されるイランだ。フィジカルや高さを持ち味とした攻撃の質は、イエメンをはるかに上回るだけに、守備の局面では十分な警戒が必要となる。
 
「ほんとに身体が大きいので、1対1の場面では負けてはいけない」
 
 持ち前の対人守備でイランを封じ込められるかは、試合の趨勢を左右すると言っても過言ではない。最も怖いのはセットプレーだろう。ゴール前で高さを発揮されてしまうと、日本にとっては分が悪い。その対応策については、このように明かす。
 
「まずは1対1に負けないでセットプレーを与えないことが大事になる。それでもセットプレーを与えてしまっても、絶対に良い形では競らせない。それは全員で共通意識を持ってやりたいです」
 
 挑戦状を叩きつけるかのごとく語ったこの言葉どおりの守備を、果たして披露できるか。この一戦を踏み台に、さらなる成長を遂げたい。
 
取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)