愛知銭湯協会のランナーズ銭湯推進チラシ。

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ここ数年、世間はもっぱらジョギング&マラソンブームだ。

老若男女問わず、趣味でジョギングを始める人が増え、マラソン大会の人気も上々。
そんな市民ランナーたちの悩みといえば「着替える場所」と、「汗だくの体をどうするか」、そして「荷物をどこに置いて走るのか」ということ。

そんな悩みを一気に解消してくれる、ある施設が人気を集めているそうだ。

それは、「ランナーズ銭湯」。
といっても、別にマラソンランナー専用の銭湯ではない。日本全国あちこちにある銭湯がはじめたサービスのこと。
銭湯料金(通常料金のみで大丈夫な場合と、またはここにプラス料金が必要な場合も)を支払えば、あとは銭湯の中のロッカーを使用できる。

荷物を預けて走った後にザブン


まずはそこに荷物をいれてランナーの格好に着替えたら、お風呂に入らずそのままジョギングへ。
近くにある公園や河川敷などを事前に確認し、思う存分走る。汗だくになったら銭湯へ引き返し、お風呂で汗を流して着替えれば終了。銭湯なので大きなお風呂、温かいサウナなどで走り疲れた体をじっくりと休めることができそう。

このシステムを利用すれば、着替えなど大きな荷物を担いで走る必要は無くなるし、さらに仕事帰りや遊びの帰りなどでも問題無し。
と、着替え問題、荷物の防犯問題、汗問題すべてを解決してくれるのがこのランナーズ銭湯だ。

市民ランナーの新たな楽しみに


実際、全国でも多くの銭湯がこのランナーズ銭湯に参加をしていて、例えば愛知県では平成24年から開始。現在では40件近くが参加。
そして大阪府でも平成28年7月現在で66銭湯が勢揃い。大半が通常の銭湯金額だけでロッカーを使わせてくれることが多いそうだが、店にもよるのでご注意を。いずれも銭湯の入口にポスターや張り紙を告示していることが多いので、自分の走りたいエリアのランナーズ銭湯をチェックしておくことをお忘れ無く。

昔はマラソンといえば、ダイエットや健康増進のためで、黙々とストイックに走っているイメージがあった。しかし最近では、走った後のお風呂や飲みが楽しみという声や、みんなと走ってみんなでお風呂を楽しもう、というのんびりと走りを楽しむ人が増えて来たという。

初心者はもちろん、マラソンランナーとして慣れてきている人にとっても、このランナーズ銭湯はいい休憩スポットになる。さらに、お風呂の中でランナー同士の交流も、生まれるかもしれない。

最近、全国的に銭湯の数がだんだんと少なくなっている……という話も聞くが、こんな「新たな社交場」となっていくのかも。そんな銭湯×マラソンの相乗効果にも期待したい。
(のなかなおみ)