10月1日〜31日までサンシャイン水族館で、お化け屋敷プロデューサー五味弘文氏がプロデュースする新感覚ホラーイベント『呪いの水櫛』が開催されている。

数々の恐怖イベントを作りあげてきた五味氏。今回初めて水族館をプロデュースするということで、注目度が高いホラー水族館を早速、体験してみた!



イヤホンを装着すると恐怖の世界への扉が開く……



水族館に到着すると、まずタッチペン付きの音声ガイドを渡される。早速、イヤホンを装着して中へ。



暗闇を進んでいくと待ち構えているのは、櫛の絵とナンバーが描かれているパネル。タッチすると、五味氏が書き下ろしたストーリーがはじまる。

<あらすじ>
足ヶ浦と呼ばれる、誰も近づかない場所がある。
そこには、ある女の霊が現れると噂されていた。女の名前はしず子。
しず子は、恋人からもらった大切な櫛を海に落とし、それを追いかけて亡くなってしまった。それから、しず子は、櫛を追いかけて海の中をさまよっている……。



ストーリーは水族館の水槽にからめた内容となっており、魚だけ、恐怖だけの演出にならない練られた作りになっている。参加者はストーリーを聞きつつも、薄暗い水族館の中で幾度となく、しず子に遭遇しながら進んでいく。

ところどころ悲鳴も上がっていた本イベント。ネタバレのため詳細は賭けないが、ゾクゾクする恐怖の空間が広がっており、前へ進む足がついつい止まってしまう恐ろしさがあった。



恐怖のオリジナルメニューやグッズも登場!



期間中は『呪いの水櫛』にちなんだグッズや、オリジナルホラーメニューも登場!
恐怖から解放されたあとは、一息ついてカフェに立ち寄ってみるのはいかがだろう。



リアルな目玉が印象的な、ホラーハンバーグに目玉ドリンク。




オススメはホラーお菓子で人気の「中野怪奇工房」が作ったクッキー。




癒しの場所が恐怖の空間に! 担当者にインタビュー



開催の経緯について、担当の方にお話を聞きました。

――『呪いの水櫛』開催のきっかけは?
夜の水族館にも、人を集めて活性化できないかと考えたのがはじまりです。その後、水族館の薄暗さを利用して、ホラーイベントやお化け屋敷ができないかと思い、五味さんにアプローチしました。

もともと癒しの空間である水族館で、ホラーという真逆のことをする想像がつかず、はじめは五味さんも戸惑っていた部分がありました。しかし、何度か会ってお互いのイメージを伝えるうちに、五味さんのほうでもイメージが沸いてきたため、本格的に企画が始動しました。



――おすすめポイントはどこですか?
視覚だけではなく、聴覚の音声ガイドを利用したことです。水族館はわりと開けた空間で、自由に見てまわれて、なおかつ癒す場所じゃないですか? その中で恐怖を演出しなければならないので、普段よりも暗くして先が見えない閉塞感を出し、さらに耳元でささやく音声をプラスすることで、恐怖の臨場感を最大限に表現しました。



――ホラー水族館を作るうえで苦労したところは?
ホラーの世界観を作るため18時で閉館して、18時半から開催というように営業時間を区切っています。とはいっても、1時間も2時間も閉められないので、30分という時間でできるボリュームや、怖さを追求するところは苦労しましたね。

あとは、やはり生物が住むところなので、なんでも水槽に沈めることができないんですよ。いろいろな制約はありますが、五味さんと何度もすり合わせしてようやくできたのが今の形です。



――最後に、これから来場される方に向けてメッセージをお願いします。
世の中にはホラーが苦手な方もいらっしゃると思いますが、今回の“新感覚ホラー”を楽しんでいただきたいですね。瞬間的な驚きだけではない、じわじわくる恐怖を楽しんでいただける、水族館で行うはじめての取り組みをぜひ体感していただきたいです。



ホラー×水族館。まさに異色のコラボと言える『呪いの水櫛』は話題性もあり、長蛇の列ができていた。大変な混雑なので、平日の来場がおすすめ!

それだけ期待度が高い本作だが、練りに練られた作品だけあって、まさに新感覚ホラーを味わえる。お化け屋敷とは違った背筋からゾクゾクするような恐怖感を味わいたい人にはぜひおススメしたいイベントです。

(舟崎泉美/イベニア)