パナソニックは、厚み0.55mmのフレキシブルリチウムイオン電池を開発した。(写真提供:パナソニック)

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 パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は29日、厚み0.55mmのフレキシブルリチウムイオン電池を開発したと発表した。曲げたりねじったりしても性能を維持でき、カード型デバイスやウェアラブル端末などに適しているという。

 今回のリチウムイオン電池は、カード向けJIS規格(JISX6305-1)を上回るねじり耐性(曲げ半径R25mm、ねじり角25°)を持つ。このため、スマートカードやカードキーなどの電池駆動のカード型デバイスや、身体貼付型デバイス、スマートウェアなど、頻繁に曲げ・ねじりの力が加わる機器でも電池性能を維持できるという。

 角形、パウチ形などの一般的なリチウムイオン電池は、曲げ・ねじりに対応しておらず、曲げ・ねじり変形によって電池が劣化し、機器の動作時間が短くなるという課題があった。今回の開発品では、曲げ半径R25mm 1,000回の曲げ試験と、ねじり角 ±25°/100mm 1,000回のねじり試験を実施した後に充放電サイクル試験を1,000回実施しても、初期容量比約80%の容量維持率を実現できることを実証したという。

 2016年10月下旬にサンプル出荷を開始する予定で、量産化に向けた開発と、更なる薄型化に向けた開発を進めていくという。