「ボイジャーのレコード盤」を自宅で再生できる。打上げ40周年記念のボックスセットが出資募集中

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New York TimesやPopular Science、Boing Boingなどで執筆する科学ジャーナリストDavid Pescovitzが、自身で設立したレコードレーベルOzma Recordsから、1977年に打ち上げられたNASAの探査機ボイジャーに積み込まれたゴールデンレコードのコピーを含むボックスセットを製品化しようとしています。

クラウドファンディングサービスKickstarterで出資募集キャンペーンを開始しており、すでに目標とする合計出資額は突破しました。ボイジャー搭載のゴールデンレコードといえば、1972年、1973年に打ち上げられたパイオニア10号、11号に搭載された金属板に続いて作られた、いわば宇宙のボトルメール。ボイジャーでは金メッキした銅で作ったレコード盤となり、メッセージを込めた図柄とともに地球上の様々な環境音や人・動物などの音声、楽曲、各国語でのメッセージを収録した、宇宙を旅する地球カタログ(もしくはサンプラー盤)です。

David Pescovitzは、カール・セーガンら当時の天文学者をはじめ宇宙に関わる人たちすべてが込めた夢を再確認し、来年のボイジャー打ち上げ40周年を祝おうという主旨でこのボックスセットを製作したとのこと。

レコード盤は本物とおなじ材質ではなく、プレーヤーで実際に再生しやすいビニール盤に改められています。とはいえ収録している音源はオリジナルとおなじもので、自宅のレコードプレーヤーできちんとそれが再生できることに感慨を覚える人もいるかもしれません。

ボックスセットにはゴールデンレコードの図柄をリアルに再現した原寸大のリトグラフ、収録した音源にちなんだ当時の画像を集めたフルカラーの冊子、音源のデジタルファイル(MP3およびFLAC)ダウンロード権つきプラスチックカードなどが封入されます。

 

 

Kickstarterキャンペーンでの、ボックスセットを入手できる出資枠は98ドル(約9800円)から。これより上の出資枠はセット数が多くなるだけで、セット内容は同じものです。

記事執筆時点ではキャンペーン終了まで28日も残しているものの、すでに目標とする合計出資額19万8000ドルはかるく超え、32万ドルに到達する勢い。

クラウドファンディングの性質上、製品が手元に届くまで(2017年8月の計画)は完全には安心できないリスクはあるのの、40年前の宇宙開発時代に心躍らせた世代なら9800円はさほど高い買い物でもなさそうです。