リオ五輪・パラリンピックが終了し、いよいよ4年後の東京大会に向けての準備が本格始動した。会場やエンブレムなどですでに世界的な物議を醸しているが、競技に直接関係するような懸念も出ている。それは「真夏の東京が暑すぎる」という問題だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 リオ五輪・パラリンピックが終了し、いよいよ4年後の東京大会に向けての準備が本格始動した。会場やエンブレムなどですでに世界的な物議を醸しているが、競技に直接関係するような懸念も出ている。それは「真夏の東京が暑すぎる」という問題だ。

 中国メディア・今日頭条は21日、「日本政府は東京五輪における『東京熱』の問題を解決してほしい」とする記事を掲載した。記事は、4年後に東京五輪のマラソンが行われる予定である2016年8月9日の東京の気温が37度7分を記録したと紹介。このような状況では人の運動能力は大幅に低下するが、どうするのかと問題提起した。

 そのうえで、東京側が炎天下でのマラソン問題を解決する方法2つ用意しているとし、保水性のある素材で舗装してより多くの水分を蒸発させ、路面の熱を奪う方法、太陽光を反射させる素材を舗装することで路面温度の上昇を防ぐ方法を紹介した。しかし記事は、いずれの方法についても「失望した」としている。

 まず「保水性舗装」については、「どれだけの人が走るかを考えていない」と指摘。人が走れば走るほど路面の水がなくなっていくうえ、このやり方では空気の湿度が上昇して体にこたえてしまうとした。そして2つ目の「遮光舗装」については「さらに問題がある」とし、「前の人が後ろの人のために路面の日光照射を遮ることになり、後ろの人に大きなアドバンテージを与えてしまう。不公平だ」と論じた。

 示された2つのプランに対する批判には「果たしてそうなのか」と思う部分があるが、記事が示した主な懸念は別の点にあった。それは、金銭的な問題だ。記事は、東京五輪の準備コストがすでに予算の6倍余りに膨れ上がっているとし、道路の改造にも莫大なコストがかかると予測した。さらに、エンブレムや競技場など問題が次から次へと出現している状況から、「唯一決まっているのは、東京五輪が日本側の描くような美しいものにならないであろうということだ」という辛辣な評論まで展開している。

 夏の東京は、日中は高温多湿のうだるような暑さに苛まれ、夜でさえ熱中症に注意が必要だ。そして、ゲリラ豪雨が発生する確率も高く、さらには台風が襲来する可能性もないとは言えない。これから4年の間に様々な問題が発覚したり指摘されたりすることだろうが、ぜひとも知恵を絞って良いコンディションを作り上げてもらいたい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)