左から蔡英文総統、タオ族の高齢者=総統府提供

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(台北 2日 中央社)原住民(先住民)族の日とされる1日、蔡英文総統が政府を代表し原住民に対して謝罪した。原住民の地位向上や問題の解決を目指すため、今後は総統府内に「原住民族歴史的正義および移行期の正義委員会」が設けられる見通しとなった。

委員会は原住民16族の代表16人と原住民として認定されていない平埔族の代表3人に加え、関係機関や有識者などが参加。合わせて29〜31人の規模となる。原住民と平埔族の人選については、4カ月以内に各民族内の共通認識に基づいて決められる。

委員の任期は2年。ただし第一期は2018年5月19日まで。土地、文化、言語、歴史、和解に関する部門が設けられる予定で、実際の状況に合わせて臨時部門も設置。3カ月に1度会議が開かれる。

具体的な内容については ▽外来政権または移民による原住民の権利侵害や失われた歴史に関する資料収集と整理 ▽原住民の奪われた権利の行政と立法による回復や補償 ▽原住民に対する差別や原住民族基本法に違反する法律と政策の見直し ▽先住民族の権利に関する国連宣言や国際人権規約の履行 ▽その他の資料の収集および整理などを5大任務とする方針。

原住民認定に向けた取り組みを進める平埔族のシラヤ族が多く住む台南市の頼清徳市長は、蔡総統の謝罪に「感動した」と発言。行政機関が協力し、同族を法で定められた原住民にしたいと期待を寄せた。

(楊思瑞、呂欣ケイ/編集:齊藤啓介)