「中国では宗教活動は禁じられている」と考える人は多いかもしれない。しかし、国や共産党の方針や体制、社会秩序に影響を与えないことを前提として、活動は認められているのである。「仏教在線」といった宗教メディアも存在するのだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 「中国では宗教活動は禁じられている」と考える人は多いかもしれない。しかし、国や共産党の方針や体制、社会秩序に影響を与えないことを前提として、活動は認められているのである。「仏教在線」といった宗教メディアも存在するのだ。

 仏教在線は13日、広東省深セン市にある僧侶学校がこのほど、日本の茶道文化を体験することで、その中に存在する「禅」の境地を会得しようとする講座が開かれたことを報じた。記事は、この学校が新たな教育モデルの一環として「日本茶道ワークショップ」を設置、生徒の僧侶たちが抹茶の香りを楽しみながら日本の茶道の礼儀を学んだことを紹介。日本の華道と茶道に造詣の深い講師によるデモンストレーションも行われたとしている。

 そして「清らかで『禅』の意に満ちた講座では、2時間という時間はあっという間に過ぎた。終了時、僧侶たちは和やかな笑顔を見せ、瞳は生き生きとしていた」とし、講座から多くを会得したであろうことを紹介した。

 記事は、日本の茶道の「禅」たる所以について「煩瑣な規則で心を磨き、それが面倒ではなくなった時に、茶の真髄を会得することができ、はじめていいお茶を飲むことが出来るのだ」と説明。またそれは、人生にも共通する部分があるのだと解説した。

 中国にも長い歴史を持つ茶芸の文化がある。その歴史からすれば、日本よりはるかに長いはずである。ついつい「中国の茶芸の方がすごい」と言いたくなるところを、日本の茶道にリスペクトを示し、そこに秘められたものを会得しようとする姿勢は賞賛されるべきではないだろうか。相手の文化や習慣を尊重し、学ぼうとする姿勢こそ、相互理解・相互交流の第1歩なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)