中国には、ショービジネス的要素を多分に含んだ「プロレス文化」はない。プロレスを知らない中国の人が、初めてプロレスを、しかも女子プロレスを見たらきっと驚くに違いない。中国メディア・鳳凰網は8日、日本の女子プロレスを紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国には、ショービジネス的要素を多分に含んだ「プロレス文化」はない。プロレスを知らない中国の人が、初めてプロレスを、しかも女子プロレスを見たらきっと驚くに違いない。中国メディア・鳳凰網は8日、日本の女子プロレスを紹介する記事を掲載した。

 記事は、アマチュアレスリングとは異なり、プロレスにはシナリオが用意されており、リングの内外で選手たちが「役者」としてさまざまなパフォーマンスを見せると紹介。日本の女子プロレスも同様であり、純粋なスポーツ競技ではなく「スポーツエンターテインメント」なのであると説明した。

 そのうえで、たくましい体の選手や、セクシー路線の選手などがリングという華やかな舞台において、流血や重傷を負う代価を払いながらも「本物の暴力によるエンターテインメント」を繰り広げるとした。試合では髪や耳をつかむ、相手を噛む、下半身を攻撃するなど、もともとは反則とされているような激しい動作も行われることを紹介している。

 さらに「本物の暴力によるエンターテインメント」ゆえに、選手たちは本気で一般人なら大怪我では済まない技を繰り出し、彼女たちが浮かべる苦痛の表情は「非常にリアル」であるとした。そして、「映画の苦痛は演技だが、プロレスの苦痛は本物。彼女たちは自らの苦痛で観客に大きな感動を与えるのだ」という観客の話を紹介した。

 記事は、日本の女子プロレスには20年あまりの歴史があるとしているが、実際にはもっと長い。現在の女子プロレスの原形は1950年代に興り、1968年設立の全日本女子プロレスがビューティ・ペア、クラッシュギャルズなどの人気レスラーコンビを輩出、興行として女子プロレスを発展させ、80年代にはダンプ松本、ブル中野といった悪役レスラーを含めた女子プロレスブームを巻き起こした。

 現在は団体の林立などによって、必ずしもかつてのブームほどの話題性を持っていないが、それでも日本の女子プロレスを愛するファンはたくさんいる。女子プロレスの文化も、日本の大衆文化を形成する立派な一部分なのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)