海峡交流基金会の林中森董事長(中央)

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(台北 1日 中央社)台湾の対中国大陸窓口機関、海峡交流基金会(海基会)の林中森董事長(会長)は先月31日、広報担当者を通じ、今月6日から予定していた大陸訪問を取りやめると発表した。林氏に対しては、立法院(国会)内政委員会が、委員会の同意なしに海外を訪問してはならないとする決議を行っていた。

林氏は、5月の新政権発足後に董事長を辞任し、新たに発足する「中華民族発展基金会」(仮)に加わるとしている。だが、林氏は同基金会を通じて両岸(台湾と中国大陸)における影響力を引き続き確保し、利益を得るつもりではないかなどと議論を呼んでいた。

また、先月29日には、野党・民主進歩党が勝利した1月の総統選挙後、林氏が大陸進出の台湾企業に基金会への寄付を要求しているとの報道も出ていたが、本人は否定していた。

海基会の李允傑顧問は、中央社の取材に対し、政権交代を控えた敏感な時期であり、立法院の決議は「意外ではない」と指摘。中国大陸側が最も気にしているのは、蔡英文次期総統の就任演説であり、今回の件が両岸関係に与える影響は大きくないと語った。

(陳家倫/編集:杉野浩司)