ドジャース・前田健太【写真:田口有史】

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OP戦5試合目も好投、「上手くゲームは作れた」

 ドジャースの前田健太投手は27日(日本時間28日)、レッズ戦でオープン戦5試合目の先発マウンドに上がり、5回1/3を4安打3失点(自責2)、5奪三振1四球だった。味方のまずい守備が重なり3回に1点を失うと、6回は降板後に2番手投手が打たれて2失点。だが、立ち上がりから安定感のある投球を披露し、地元メディアからは「キレのある投球」と称えられた。

 前田は1、2回を3者凡退と最高の立ち上がり。しかし、3回は先頭打者を遊ゴロに打ち取ったものの、カルバーソンの失策で出塁を許した。その後、バンハートの右前打などで1死二、三塁とされ、ペラザを三ゴロに仕留めたものの、今度はアトリーが一塁へ送球ミス。2つのエラーが重なる不運な形で先制を許した。

 しかし、4、5回は無失点。6回1死からボット、デュバルに連打を許したところで球数が85球となったため、降板した。その後、アビランが失点を重ねたため、さらに2失点がついたが、降板時には大きな拍手を浴びた前田。先発としてゲームを作り、打撃でも3回1死一塁の場面ではきっちりとバントを決めて、続くクロフォードの同点打をお膳立てした。

 試合後、地元テレビのインタビューに応じた右腕は「あまり調子自体は良くなかったですけど、上手くゲームは作れたと思いますし、いい感じで投げることができました」と納得の表情で振り返った。降板する際には右手を気にする素振りも見せたものの、「ちょっと薄い皮がめくれたので、それを取っただけです」。頼れる新戦力にトラブルがなかったことを知ると、インタビュアーは思わず「それはいいニュースですね」とつぶやいた。

「前田はキレのいいピッチングを見せてくれた」

「出来れば6回まで投げられればベストだったんですけど、うまく球数もイニングも前回より投げられたので良かったです」と調整は順調そのもの。日本人投手が苦しむこともある、日米のボールの違いについても質問された前田は「ボールは慣れていくしかない。こっちに来て多く登板して慣れていくので気にしてないですね」と淡々と話した。

 この日の投球でも評価を上げた。試合を中継した「スポーツネットLA」の実況は「前田がダメージを最小限に軽減しましたが、守備が彼を落胆させています」と、3回の失点については内野陣の守備のまずさに責任があったと指摘。降板後は「日本からLAにやってきた1年目の前田はキレのいいピッチングを見せてくれました」と称えた。

 メジャーデビューまで、オープン戦登板はいよいよあと1試合。ここまでは5試合で19イニングを投げ、防御率1.89、18奪三振と文句のつけようのない投球を続けている。確かな実力を証明し、1年目のシーズンへと入っていけそうだ。