中国でも、日本人男性が過激派組織「イスラム国(IS)」に加わろうとしたとしてトルコで拘束されたことが評判になった。中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では「日本人が参加したら途端に、ISの力は2倍になるぞ」との書き込みが多くの「いいね」を集めつつある。(写真は鳳凰網公式アカウントの24日付投稿の画面キャプチャー)

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 中国でも、日本人男性が過激派組織「イスラム国(IS)」に加わろうとしたとしてトルコで拘束されたことが評判になった。中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では「日本人が参加したら途端に、ISの力は2倍になるぞ」との書き込みが多くの「いいね」を集めつつある(解説参照)。

 シリアに行ってISに加わる意図があったとしてトルコを国外追放された24歳の日本人男性は14日午後7時半ごろ、関西空港に到着した。実際にISに加わるつもりだったかどうかなどについては不明な点がある。

 中国からも、過激思想の持ち主が東南アジアを経由して中近東に渡り、ISに参加する者がいるとされる。一方で、中近東で過激派組織につかまり殺害された中国人もいる。

 トルコ当局が日本人男性を「ISに加わろうとしていた」として拘束したことは、中国でも写真付きで報じられた。今のところ日本人男性を非難する論調はなく、トルコ、日本、その他の外電にもとづいて記事を構成している。

 中国メディアの中華網は「2011年にシリア内戦が始まって以来、トルコ政府はテロ組織の活動に関連したとの理由で、89の国から来た2783人の身柄を拘束した」と紹介した。

 ISに参加した中国国籍保持者が相当数いるとの見方もある。インドネシア当局は12日、最近になり実施した武装勢力掃討作戦で、中国籍のウイグル人2人を射殺したと発表した。中国国籍保持者で、海外の過激派組織に合流する可能性が現実問題として高いのはやはり、「民族として弾圧されている」との不満が高い、ウイグル族の一部と考えられる。

 鳳凰網は中国版ツイッターの微博(ウェイボー)で、日本人男性がISのメンバーと連絡を取っていたとして「日本人がISに参加するのは極めて珍しい」といぶかしがった。

 同記事に対しては、日本人男性を幼稚だと非難する声が集まった。ただし、24日午前11時40分現在で「いいね」を最も多く集めているのは「日本人が参加したら途端に、ISの力は2倍になるぞ」だ。

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◆解説◆
 中国では、戦前の日本は中国を侵略して数々の非道な行為を行ったとして「極めて残虐」などの非難の言葉が並べられることが多い。一方では、戦後になってから日本が達成した経済や科学技術の発展・進歩を高く評価する意見も普遍的だ。さらに最近では、日本人の仕事に取り組む精神や、ルールを順守しマナーを大切にする習慣なども称賛されている。

 総じて言えば、中国人は日本人に対して「よいことをする場合も悪いことをする場合も、とにかく、とことん徹底する」との印象を持っている。また、その点が「馬馬虎虎(マーマ・フーフ=いい加減)」な中国人と大いに違う点との認識もある。

 「日本人が参加したらたちまち、ISの力は2倍になるぞ」とのコメントは冗談めかしているが、「日本人は何をやっても、徹底的にやり抜く」とのイメージが中国人に浸透しているため、比較的速く「いいね」が集まったと理解できる。(編集担当:如月隼人)(写真は鳳凰網公式アカウントの24日付投稿の画面キャプチャー)