春となり東京で新生活を始める者も多いだろう。そんな人間を困らせるのが地下鉄の乗換だ。東京メトロ9路線、都営地下鉄4路線の計13路線が入り混じり、さらにJR、私鉄各線とも相互直通運転を行っている。目的地にたどり着くためには複数の路線を乗換える場合も多い。

だが、中には路線図通りに乗り換えると激しく後悔することもある。駅によっては路線間がやたら離れており、やたら歩かされる地下鉄駅も存在するからだ。そんな注意すべきポイントを取り上げてみたい。

永田町駅と赤坂見附駅



路線図を見ると永田町駅と赤坂見附駅は接続駅となっている。永田町駅には地下鉄有楽町線、半蔵門線、南北線、赤坂見附駅には丸ノ内線と銀座線が乗り入れている。丸ノ内線は池袋、東京駅、銀座、新宿を通り、銀座線は、浅草、上野、渋谷など主要駅を結ぶ。だが、永田町駅から赤坂見附駅は、およそ600メートル離れている。直線距離ではなく階段の登り降りもあるので注意したい。

国会議事堂前駅と溜池山王駅



赤坂見附の隣駅である溜池山王駅も国会議事堂前駅と接続駅になっているが距離が離れている。特に丸ノ内線の国会議事堂前駅から溜池山王駅の銀座線のホームまではおよそ700メートルも歩くので利用には気をつけたい。なお、千代田線の国会議事堂前駅ホームは、地下40メートルという深い場所を通っており、核シェルター説があるほどだ。実際、北朝鮮の首都平壌の地下鉄は地下100メートルを通っており核シェルターを兼ねている。同様の構造は世界の各都市で見られる。

地下鉄浅草線と大江戸線の蔵前駅



同じ駅名だからといって乗換距離が短いとは限らない。浅草の一駅手前の蔵前駅は都営浅草線と大江戸線が通っている。だが両駅の距離はおよそ400〜500メートル離れており、一度地上に出ないと乗換ができず大変不便である。蔵前駅から浅草寺までは徒歩10分ほどなので、大江戸線経由で浅草観光へ向かう場合は、蔵前からひと駅分歩いてしまった方が早い。

JR京葉線ホーム


地下鉄ではないが、JR東京駅の京葉線ホームは、東京駅から400メートル離れた地下深くにあり乗換には不便。東京ディズニーランドや、幕張メッセ、千葉マリンスタジアムへのアクセスなどで京葉線を利用することもあるだろう。隣のJR有楽町駅の窓口に名乗り出れば乗換ができるので、山手線、京浜東北線と京葉線の乗換に利用できる。さらに、JR京葉線と地下鉄有楽町線も、東京国際フォーラムの地下を通り抜ければ乗換可能だ。

東京は各所に地下鉄網がはりめぐらされている。便利な乗換手段を使いこなし“東京ダンジョン”をクリアして欲しい。
(下地直輝)