台湾・高雄市の陳菊市長は15日、同市を訪問した日本の交流協会の大橋光夫会長と会談し、台湾が2011年の東電福島第一原発の事故以来、日本の農産物の輸入を認めていないことについて「必要なのは専門家または学術的は証明だ。理性的に討論してよいことだ」と述べた。「交流協会」は財団法人だが、台湾に対する日本政府の事実上の窓口機関だ。台湾国営の中央通訊社が報じた。(写真は中央通訊社の15日付報道の画面キャプチャー)

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 台湾・高雄市の陳菊市長は15日、同市を訪問した日本の交流協会の大橋光夫会長と会談し、台湾が2011年の東電福島第一原発の事故以来、日本の農産物の輸入を認めていないことについて「必要なのは専門家または学術的は証明だ。理性的に討論してよいことだ」と述べた。「交流協会」は財団法人だが、台湾に対する日本政府の事実上の窓口機関だ。台湾国営の中央通訊社が報じた。

 台湾では、民進党が原発反対の立場であり、馬英九政権がかなり強引に原発建設を推進したこともあり、放射性物質の汚染による問題に敏感な反応を示す人が多い。

 日本の農産物輸入を規制していることも、民意に引きずられている面が大きいと言える。陳市長は、東日本大震災からすでに5年が経過しているとして、「必要なのは、汚染されていないことを示す専門家や学術的な証明だ。理性的に討論してよいことだ。問題がうまく解決されることを望んでいる」と述べた。

 陳市長は、最近になり東京の展示会に行って台湾南部の果物のアピールをしてきたと説明。しかし、日本側への輸出については4年前から実施してきたが、成果が出ていないと述べ、双方が交渉のスピードを上げたいと希望した。

 陳菊市長は民進党の所属だ。双方は、台湾における民進党の勝利など政治情勢や、経済、農業、観光などさまざまな分野について話し合い、日台関係の緊密化を進めることで一致した。(写真は中央通訊社の15日付報道の画面キャプチャー)

 陳市長は日本人観光客について、日本と高雄を結ぶ航空便は週に94便もあると指摘。台北だけでなく、高雄にも来てほしいと希望した。大橋会長は、高雄を訪れる日本人観光客の数が、中国大陸からの客の数よりも多くなってほしいと応じた。(編集担当:如月隼人)