台湾師範大学のウェブサイトより

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(台北 11日 中央社)米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー・英ディープマインドの囲碁ソフト「アルファ碁」は10日、ソウルで行われた韓国のイ・セドル九段との五番勝負の第2局に勝利し、2連勝とした。世界トップレベルの棋士を破るアルファ碁の開発には、対局でソフトに代わり碁を打つ台湾出身の研究者が関わっている。

研究者の名前は黄士傑(英語名:アジャ・ファン)氏。台湾師範大学情報工学研究所(大学院)で博士号を取得後、カナダでの研究員生活を経て、2012年にディープマインドに入社した。グーグルによる買収後にアルファ碁の首席デザイナーの1人となり、開発において重要な役割を担っている。

恩師の林順喜教授は黄氏について、非常に努力家で、囲碁に対して強い興味を持っていたと振り返る。アマ六段の実力を持ち、大学では自ら立ち上げた囲碁部で部長を務めていたという。

大学院時代に開発した囲碁ソフト「Erica」は、2010年に日本で行われた第15回コンピューターオリンピアードで、最強とされていた日本の「Zen」を破って優勝しており、当時から人工知能の分野で才能を発揮していた。

黄氏は11日、インターネット掲示板で今回の対局について、ネット上ではデマが多数出ており、一部ではイ九段に対する個人攻撃も行われているが、「勝負がどのような結果となっても、我々はイ九段に敬意を表す」とコメントしている。

アルファ碁とイ九段の対局は15日までに全5戦が行われ、勝利側には賞金100万米ドル(約1億1350万円)が贈られる。

(陳至中/編集:杉野浩司)