【なでしこプレビュー】3年後に向けた一歩を《リオ五輪アジア最終予選》

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▽7日に行われたリオ五輪アジア最終予選のベトナム女子代表戦で、6-1と勝利し今予選初白星を掴んだなでしこジャパン。しかし、キックオフ前に行われた中国女子代表vs韓国女子代表の一戦で中国が1-0と勝利し、なでしこジャパンのリオ五輪出場は無くなった。

▽それでも、今予選はあと1試合。リオ五輪への道は閉ざされてしまったが、この先に繋げるためにも、しっかりと勝利で終えたいところだ。

◆失意の中、若手の活躍で初勝利

▽結果を耳にしていたであろうなでしこジャパンだが、GK山下杏也加(20)やFW岩渕真奈(22)、FW高瀬愛実(25)ら先発出場がなかった若手を起用。一方で、MF宮間あや(31)、MF阪口夢穂(28)、FW大儀見優季(28)ら経験豊富な選手を先発から外した。

▽前半こそ押し込むも得点を奪えないという、今大会のなでしこを象徴するかのような試合展開となったが、39分に岩渕のゴールで先制する。しかし、すぐさま追いつかれるという見覚えのある展開となるが、大野、川澄、中島、横山、大儀見と終盤にゴールを重ねて快勝を収めた。

▽宮間や大儀見といった経験豊富な選手を途中から起用するという、今予選で初めてみせた采配で白星を掴んだなでしこジャパン。時すでに遅しではあったが、やり方を変更しての初勝利はこの先に繋がるだろう。

◆意地を見せて欲しい最終戦

▽すでに、オーストリア、中国のリオ五輪出場が決定しており、どのチームにとっても消化試合となる最終戦。しかし、この先のことを考えれば、しっかりと勝利で今予選を終えたいところだ。

▽北朝鮮も五輪出場を逃しているものの、アジアでのライバルということを考えれば日本相手に勝利を目指してくることは間違いない。この先も対戦するであろう相手に、しっかりと日本の力を見せつけておくことは重要になる。

◆3年後に向けたスタート

▽2019年にはフランスで女子ワールドカップが開催される。リオ五輪を逃した日本にとっては、次の目標はワールドカップ出場権の獲得だ。その1年前の2018年に予定されている女子アジアカップも大きな目標となる。2014年の前回大会で初優勝を飾った日本。まずは、2年後のアジアカップに向けたチームの再建、そして3年後のワールドカップ出場に向け、アジアのライバル相手に負ける訳にはいかない。

▽佐々木則夫監督のラストゲームになる可能性が高い北朝鮮戦。指揮官がどのようなメンバーを送り出すのかは読めない。これまで苦楽を共にしたメンバーで臨むのか、それとも未来に繋がるメンバーを起用するのか。いずれにしても、2011年のドイツ女子ワールドカップで世界一になり、2012年のロンドン五輪で銀メダル、2014年の女子アジアカップで優勝、そして2015年のカナダ女子ワールドカップで準優勝という、輝かしい成績を残してきたなでしこジャパンの集大成として勝利で終わってもらいたい。北朝鮮戦は9日の19時35分キックオフを迎える。

◆注目選手

FW岩渕真奈

▽最終戦の中国戦、ベトナム戦でゴールを奪っている岩渕真奈に注目だ。岩渕は、今回招集されているメンバーで横山久美に次いで若い22歳。しかし、2011年のドイツ女子ワールドカップ優勝や2012年のロンドン五輪の銀メダル、2015年のカナダ女子ワールドカップ準優勝と、佐々木監督が率いたなでしこジャパンで多くの成功を収めてきた。この先のなでしこジャパンを牽引していく存在になるであろう岩渕のプレーに注目してもらいたい。