意外な瞬間にイライラ最高潮

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私の何がイケないの?】(TBS系) 2016年2月22日放送
更年期障害を克服スペシャル」

更年期障害は、45〜55歳の女性が襲われる、ホルモンバランスによる心身の不調だ。放っておくと、うつ病を引き起こしかねない。

なかでも女性を困らせるのが「イライラ」だ。ひとりの40代女性タレントを追ってみると、意外な場面でストレスを高めていた。

「何で泣いているんだろう」と余計に滅入る

番組が密着したのは、細川ふみえ。かつての人気グラビアアイドルも、今は息子1人を抱える44歳シングルマザーだ。本人は最近、冷え症や物忘れに加えて「イライラ、カリカリしやすい」と悩みを打ち明けた。そこで、心療内科でも活用されている特殊なセンサーを細川の体に着けてもらい、心拍や体温計測を通して「イライラ度」を判定することにした。

最初のイライラは、細川が訪れた店で起きた。故郷・青森のヒバを使った雑貨の店で、なじみの女性店員を見つけると突然、泣き出したのだ。実は店員も青森出身だという。懐かしさにあふれる空気の店内でさぞリラックスしているかと思いきや、イライラ度は「82%」に達した。順天堂大医学部・小林弘幸教授がこう解説する。

小林教授「泣くこと自体、『何で泣いているんだろう』と余計に滅入って、イライラの原因になります」

ゲストでタレントの西川史子にも、思い当たる節があるようだ。

西川「離婚したばかりのころ、いつも泣いてました。(番組収録の)帰り道はイライラしてましたね。『何であんなところで泣いちゃったんだろう』と」

次は、細川が「ボルダリング」に挑戦したシーンだ。高い壁に付いた突起物を頼りに、自分の力だけでよじ登っているボルダリングの体験は初めてだったが、男性インストラクターから「筋がいい」とほめられた。すると「ヤッター」と大喜び。ところがこの時、イライラ度は85%に上っていたのだ。

小林教授は、細川のように「イライラを表に出さない人」は他人に気を使いすぎるあまり、イライラが増すと指摘する。特に相手が初対面だと、余計にひどくなるそうだ。

容姿をほめられたのがストレスになる

次に「イライラ度87%」に達したのが、楽屋でのメーク中。本番前、細川の髪の毛のセットはメーク担当の女性がこなす。ところが、他人に体の一部を触られるのは更年期の女性にとって大きなストレスになるという。

そして最もストレスが高まり「イライラ度94%」と爆発寸前になったのが、他人から自分の容姿についてあれこれ言われた時だった。

出版社との打ち合わせ。編集者から「どうですか、グラビア」と誘いを受けた。かつてグラビアクイーンとして活躍した細川だが、「そ、そうですね...」とうかない顔だ。強く勧められても「うーん」と困った様子。編集者はほめまくるが、会話はかみ合わない。

細川「見たいですかぁ(苦笑)」
編集者「きれいじゃないですか」
細川「ハハハハ......」

にこやかに笑っているが、イライラは最高潮に達していた。小林教授はこれを「エイジングストレス」と指摘したうえで、解説した。

小林教授「(更年期の女性は)容姿が衰えてコンプレックスになっています。老化が不安、そんな時に過度にほめられるとイライラするのです」

細川のイライラ度が上昇した場面では、更年期障害特有の共通点が見られた。いずれも「人と接しているとき」だったのだ。特に会話する際には交感神経が高まり、イライラが増すという。交感神経は、活動しているときに働く神経で、リラックスしているときに働く副交感神経とバランスが取れている状態が理想だ。

スタジオに登場した小林暁子医師は、イライラ解消法として「貧乏ゆすり」を提案した。一定のリズムで体を動かすことで交感神経が安定し、イライラを抑制する効果があるそうだ。もう一つは、ため息。4拍かけて「吸う」、8拍かけて「吐く」ことで、心を落ち着かせる。