新語・流行語大賞公式HPより

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 時の経つのは早いもので、今年も残すところ3ヶ月。しばらくすると、今年も<流行語大賞2015>(注1)のノミネートが発表される季節だ。

 そこで! 気が早いかもしれないが流行語大賞候補を予想してみることで、改めて2015年を浮き彫りにしてみたい。予想は『<流行語> 受賞候補者』…の順番で。

 まずは、お馴染みの「一発芸人枠」

<あったかいんだからぁ> クマムシ
<ラッスンゴレライ> 8.6秒バズーカー

「これ、今年だったっけ?」という声が聞こえて来そうなほど、二組とも露出が減った。

 8.6秒は「ネタが反日」だの、「原爆被害を揶揄している」だのと不穏な噂が足を引っ張ったと見るか、単なる力不足か。クマムシの方は美声が妙に頭に残ったが、やはりお笑いとして面白いかどうかは疑問だった。この枠(勝手に「枠」扱いしているが)は、2014年大賞の<ダメよ〜ダメダメ>もそうだが、年々、流行時間が短かくなっている。

 続いて「文化・社会枠」

<ドラゲナイ> SEKAI NO OWARI
<ドローン> 15歳少年 or 元自衛官
<熟成肉> ウルフギャングステーキハウス?
<絶歌> 少年A
<火花> 又吉直樹
<新国立競技場> 森元首相?
<佐野る> 佐野研二郎
<線状降水帯> ?
<マシャロス> 福山雅治

 なかなかの豊作だ。実質的に人の口に上ったり、ネットに書き込まれた数では<佐野る>が全ジャンルを通じて大賞候補と思うが、エンブレムの選考過程と同じく業界内の力学が働いて、個人名がノミネートされることは無いだろう。代わりに<新国立競技場>あたりを候補にして、「受賞者不在。なぜなら責任者が不在だから」と社会風刺っぽい見せ方をしてくる可能性大。

 逆に言えば受賞者が来場するかも大きな選考基準だけに、又吉が出席するようなら<火花>は有力候補だろう。これは実際に売れて社会現象になったので、文句はない。

「流行語大賞」の悪いクセ

 そしてお待ちかねの「政治枠」だ。

<ISIS/イスラム国> ?
<Iam not ABE> 古賀茂明
<戦争法案> 日本共産党・民主党・社民党・極左過激派の皆さん
<SEALDs> 奥田愛基
<戦争したくなくてふるえる> 高塚愛鳥
<強行採決> 自由民主党?
<琉球独立> 翁長雄志

 覚えているだろうか? 昨年の流行語大賞は<集団的自衛権><ダメよ〜ダメダメ>だった。その連続した見出しを狙った見え見えのチョイスを、筆者は当欄で批判した。鳥越俊太郎氏や姜尚中氏など、ある党派性の濃い選考委員の顔ぶれ(注2)も含めて、「流行語大賞は団塊サヨクの玩具」だと。今年から改善される兆しも無いため、上記のような偏ったノミネートが並ぶと予想する。

 去年のパターンで行けば、

<SEALDs>(は)<あったかいんだからぁ>
<戦争法案><ラッスンゴレライ>(意味不明だ!というニュアンスで)

 あるいはダジャレで

<戦争したくなくてふるえる>(ので日本から)<ドローン>
<強行採決>(で)<火花>

 と来るかもしれないし、さすがにパターンを崩してくる可能性もある。

 ノミネート発表を楽しみに待ちつつ、またまた偏向していたら遠慮なく突っ込ませてもらおう。

(注1) 流行語大賞… 正式には「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」という。
(注2) 選考委員の顔ぶれ… 他には俵万智氏、やくみつる氏ら。

著者プロフィール

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ