「気合」と「根性」は時代遅れ

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「断る営業」=「売れる営業」の秘密〜Part2〜

■「営業」ではなく「交渉」
石原:ところで「営業」って言葉は、誰が考えたんだろうね。営業は「買ってください」という感じですよね。フィフティVSフィフティの関係で対等なのが商取引ですから、「交渉」であるべきなんです。

道幸:誰が考えたんでしょうね(笑)。「営業」ではなく「交渉」かぁ。そこまでは考えが及びませんでした。

石原:こちらは売りたいし、相手は買いたい。双方に利益がある、対等な交渉事であることを理解できていないで、営業をおこなっている人があまりにも多いのが現状なんです。また、人だけでなく組織として出来てない会社も多いですね。

道幸:交渉の土台に乗れていない人や、組織が多いということなんですね。その土台に乗るために必要なのが、「断る営業」ということになるんですね。


■「断る営業」を実践する
石原:交渉で必要なのは、主導権をとることです。「なんでも言うことを聞く」「ぺこぺこする」営業は、「調子がいいな」と思われるだけで、信用されることはありません。「めんどうくさいことは任せよう」みたいな扱いをされるだけです。

道幸:土下座営業というか、泣き落とし営業というか・・・営業職のイメージに定着してしまっているスタイルです。

石原:営業のプライドは、「あなたには売らない」ということなんです。そこをとっては、売れるものまで売れなくなってしまうんです。「死んでも売って来い」なんていう上司や会社は、何も分かっていない。

道幸:断ることで、プロの営業としてみられるんですね。

石原:断れば断るほど売れます。洋服でも、「似合ってないですね」といった瞬間から売れ始めます。誰も言ってくれない、有益な情報を与えてくれる人だと、お客様は考えてくれるんです。断ることで、頭を下げる営業から対等の関係へとお客様との距離が変わります。本音で相談される相手になることが重要なんです。そうなったとき、主導権は確実にこちらにありますから。

道幸:否定語を使うことで、本当の信用と信頼を勝ち取ることが出来るんですね。私も、自分の行なっている成功プログラムなどで無意識にやっていましたね。

石原:営業に見えないことで、本物のプロとしての営業が可能になります。価値観のある世界は売りやすいんですよ。価値観をひっくり返せば、驚くほど売れるようになります。

道幸:石原先生はこれでもかという位に多くのノウハウや手法を情報公開されていて、ここまで公表してしまうのかと驚くことも多いんですが、やはりそこも戦略なんですか。

石原:2時間かけて売れないこともあれば、数分で売れることもあります。それが何なのかを考えたとき、あらかじめ情報の入っている人にはすぐに売れることが分かったんです。知っている人はすぐに買う。ですから多くの情報を発信し、興味を喚起しているのです。

道幸:アポが取れた後で、「あらかじめ情報が入っている状態」を作り出していくことも可能ですね。

石原:アポが取れた段階で、お客様に必要だと考えるオーダーメイドな資料を金額まで載せて送ります。相手に必要だと考えたものを送るわけですから、面白いに決まっているんです。一定のクオリティのあるものを送れば、必ず読んでくれます。情報を出せば出すほど、営業活動は楽になりますよね。

道幸:読んでくれない方もいますよね。

石原:会うまでに読んでおいてくださいって送って、読んでなければ怒りますよ。そこでも主導権をとることが出来ますから。

道幸:お客様を怒るってなかなか出来ないことですが、石原先生は徹底してそれを行なっていますよね。

石原:頭を下げないことは、うちのスタッフにも徹底しています。「相見積もりは断る」「無理難題は断る」「無償サービスは断る」・・・。日本中から問い合わせがありますが、問い合わせに対して行くか行かないかはこちらが決めます。
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