5日夜、「政治生命をかけてこの難局を打開したい」と立候補を表明した小沢一郎氏。(撮影:吉川忠行)

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民主党の小沢一郎前副代表(63)は5日夜、都内で開いた会見で「政治生命をかけてこの難局を打開し、民主党政権を実現する決意である」と述べ、代表選への出馬を正式に表明した。菅直人元代表(59)も同日、立候補を表明した結果、小沢・菅両氏が代表の座を争うことになった。

 会見で小沢氏は「先頭に立って党を再生させ、今一度政権交代へののろしを上げる決意を固めた」と意気込みを語った。具体的な基本政策や理念は、代表選が行われる7日に発表する。

 小泉改革に対して、小沢氏は「旧来の自民党政治と何ら変わるところはない」との見方を示した。そのうえで、時代に対応できなくなった政治・行政などの仕組みを変えなくてはいけないとし、「政府与党とは違う、きちっとした、新しい理念と基本政策を打ち出さなければならない」と強調。「一生懸命、誠実に生きている人たちが、報われるような社会にしなければならない」と訴えた。

 また、「自由党と民主党が合併して以来、民主党に議論が少ないことに驚いていた」と吐露。「民主党が本当に基本の政策について、みんなで議論して、国民に対してわかりやすくメッセージを送ることができたら、間違いなく政権を担うことができる」と力説した。

 記者団から「党をつくっては壊してきた過去から学んだことはあるか」と尋ねられると、小沢氏は「改革というものは、古いものを壊して、その上に新しいものをつくることだ。古いものを残存しながら、新しいものはつくることはできない」と答えた。

 党内では、新代表に強いリーダーシップを求める声がある。旧社会党系の議員などは小沢氏待望を明言していた。

 東京都千代田区の衆議院第2議員会館で行われた会見には、旧自由党出身の小宮山泰子衆院議員、松木謙公衆院議員ら18人の民主党議員が同席。報道陣も100人以上詰めかけた。【了】

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