「本来、メラニンは28日サイクルのターンオーバー(新陳代謝)によって徐々に皮膚の上に上がってきて、最終的には角質と一緒に顔を洗ったときなどにはがれ落ちるものなのです。しかし、25歳ぐらいから新陳代謝が落ちてくると、排出されるはずのメラニンが残って皮膚に蓄積され、シミとなって残ってしまいます」

そう話すのは、あおいクリニック銀座院長で皮膚科医の中野あおい先生。海や街歩きではもちろん、炎天下での洗濯物干し……今年もやっぱり、うっかり、浴びてしまった紫外線。放っておいたら気になるシミに!そこで、あおい先生が「ひと夏の紫外線をシミにしない」アフターケア10を教えてくれた。

【1】日に焼けたら即冷やす!
“うっかり日焼け”で肌が赤く火照ってしまったり、ヒリヒリ痛んだり……。そんな状態のときに美白商品をいきなり使ってもダメ!これはやけどと同じ症状なので、まずは素早く冷やして肌を鎮静させるのが日焼けケアの鉄則。
「顔を冷やす場合は、シートパックを冷蔵庫で冷やしてから使うといいですよ。その上から保冷剤やアイスパックなどで冷やすと、冷却と保温が同時にできて効果的です」(あおい先生・以下同)

【2】コスメは「美白系」と「代謝アップ系」のW使いを
「美白アイテムで医学的におススメするのはビタミンC誘導体、コウジ酸、アルブチン、ルシノール、トラネキサム酸、プラセンタエキスなど厚生労働省が許可した美白成分配合のもの。代謝アップアイテムは、レチノールやフルーツ酸が入っているものがいいでしょう。注意してほしいのは、代謝アップアイテムの使用は1つに絞ること」

【3】「酒粕パック」で隠れジミを撃退
「“杜氏の手が白い”ということから研究が始まり、酒粕のコウジ酸は医学的に美白効果が証明されています。お風呂に溶いて入れてもいいですよ」

【4】「食べ物パック」は基本NG!!
きゅうりやレモンパックがいいという話を耳にするけど、食べ物を肌に直接貼るのは絶対NG!
「刺激が強すぎてとても危険です。体にいい成分というのは食べて体内から働くのであって、肌に働く成分とは異なります。化粧品に配合されているポリフェノールなどの抗酸化成分は、肌に塗布して効果があるように化学構造をアレンジしているから効くのです」

【5】「ハトムギ茶」を飲む!
古くから美肌の漢方薬として利用されてきたハトムギ。金沢大学医学部の研究で皮膚の新陳代謝を促進する働きが解明された。美白効果も知られていて、常食すると肌がなめらかになり、シミ、ソバカス、肌荒れの改善に効果があるともいわれている。
「ハトムギ茶で飲むのが、お手軽でいいですね」

【6】美白になれる「日本酒風呂」
日本酒に含まれているコウジ酸のシミを抑える効果はあまりにも有名。ほかにも多くのアミノ酸やビタミン、ミネラルを豊富に含んでいる日本酒を全身で浴びられるので、顔だけでなく体全体の美白ケアができる。
「ミネラルが豊富な日本酒風呂は肌にいいですよ」

【7】「コーヒー」がシミに効く!
神戸大学の市橋正光名誉教授の研究で、コーヒーを飲むとシミ予防になることが解明された。コーヒーにはクロロゲン酸類を含むポリフェノールが豊富に含まれている。このクロロゲン酸類がシミ生成ルートをブロックし、シミが抑えられる可能性が高いのだとか。とはいえ、飲みすぎは禁物。
「刺激物なので、総合的な美白効果を考えると1日1杯程度が適量。ポリフェノールを多く含む赤ワインやチョコレートなどを併用するといいですね」

【8】鮭&そばは美白食の最強タッグ
鮭に含まれるアスタキサンチンは、紫外線によって増える活性酸素を除去する力が非常に強く、光老化の予防効果があるそう。そして、そのアスタキサンチンの成分を肌まで届けるにはそばを一緒に食べると◎。そばに含まれるルチンがアスタキサンチンを酸化から守るので、鮭&そばは美白食の最強タッグなのだ。

【9】シミにアタックする「サプリ」
サプリで手軽に美白成分を補給したい人にあおい先生がおススメするのは、代謝アップに効く「L-カルニチン」、毒素排出に効く「キレート剤」が含まれたもの。

【10】「できてしまったシミ」はクリニックで対処
シミを自宅で1〜3カ月ケアしても消えなければ、美容皮膚科へ行くのも一計。ピンポイントでシミを除去できる「Qスイッチルビーレーザー」(一時的にかさぶたになるタイプ)は、2ミリ以下なら3千〜5千円で除去できる。
「シミ取りの施術も、かさぶたができる昔ながらのレーザーから、かさぶたにならずに少しずつシミを薄くする光療法、ピーリング、イオン導入などたくさんの選択肢から選べるようになりました」

今ならまだまだ、間に合いますよ!