格安スマホがiPhoneやXperiaを凌ぐ時代が来る?予想以上に早い格安スマホの高性能化

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2年契約の縛りもオプション契約も不要、約1万円程度で購入できる格安スマホが日本でも急速に増えている。最近では、量販店やショッピングモールなどでの販売も開始されたことで、スマホの申し込みや購入も簡単になりつつある。

しかし、これまでの格安スマホは、価格を抑えるため、画面が小さく、動作が遅く、通信方式もLTE非対応など性能面のデメリットがあった。


日本だけではなく海外でも売られている低価格スマホ。その値段には理由がある


●iPhoneやXperiaの代わりになる格安スマホの第2世代
これまでの格安スマホは、「iPhoneやXperiaの代わりに使いたい」と思って買ってしまうと、かなりの確率で痛い目に合ってしまう。

しかし、そんな不満はもう解消されそうだ。
実は、世界的にも格安スマホは第2世代とも呼べる新製品が登場し始めている。ハードウェア性能やLTEなど最新の通信にも対応した高性能なスマホが出てきたのだ。もちろん通信キャリアで契約する必要はなく、店舗やネット上でも購入できる。


最新スマホにも迫るスペックの製品がついに登場


●格安イメージを買える高性能、高品質化する格安スマホ
たとえばフリーテルが8月に日本で発売する「freetel XM」の性能は、最新スマホに迫るスペックを搭載する魅力的なものになっている。通信方式は最新のLTEに対応。画面サイズは5インチと現行のiPhone 5sよりも大きい。スマホのエンジンであるCPUはハイエンド機種でも採用されているクアッドコア、カメラも8メガピクセルで、これまでの格安スマホに比べれば性能は数倍にアップしている。そして何よりも重要なのは、スマホ本体のデザインだ。無駄なボタンを廃止し、すっきりしたデザインは格安スマホとは思えない質感だ。これなら人に見せても「え?これどこのスマホ?」と興味を持ってくれるに違いない仕上がりだ。

このように「性能良し」「機能良し」「スタイル良し」と三拍子そろったfreetel XM。これで価格が1万円なら「価格も良し」となり万々歳なのだが、さすがに1万円とはいかず、値段は3万円台となる。しかし、現在8万円以上というキャリア提供のスマホ本体の価格に比べれば、かなり格安なのも間違いない。

●海外ではスマホ本体の価格破壊が起きている
海外では、近年のスマホ高性能化の一方で、価格は年々下落しているのをご存じだろうか。

日本ではキャリア契約とあわせてスマホを買うため、実売でのスマホの価格は数年前からあまり変わっていない印象だ。一方、アジアやヨーロッパでは、スマホは単体販売も行なわれており、スマホの買い替えは自由にできる。こうした販売形態が、スマホ価格の競争に繋がり値段が下落している背景にもなっている。

特に、こうした傾向はこの半年で急激に広がってきている。
これまで海外は、「5万円以上の高級モデル」「3万円前後の普及モデル」「1万円前後の入門モデル」といった価格と性能により、カテゴリが分かれていたが、最近は「ハイスペックなのに低価格」という価格破壊が起きているのだ。


ハイスペックなのに価格を抑えたZenfone LTE 5


●大手メーカー製の格安スマホがiPhoneやXperiaを凌ぐ人気
例えば日本でもノートパソコンやタブレットを販売しているASUS(エイスース)は、高速通信のLTEに対応した5インチスマホ「Zenfone 5 LTE」をこの7月に地元台湾で販売開始した。

現地価格は日本円で約2万4000円。2年間使い続けるなら、毎月1000円で済む計算である。通信方式が3Gのみのモデルもあり、そちらは1万円台で購入できる。もちろん大手メーカーの製品だけに品質も問題ない。台湾ではこのZenfoneに大きな人気が集まっており、今やiPhoneやGALAXYを上回り国内売上ナンバーワンになっているほどだ。

さらには今やグローバルメーカーともいえるレノボ、ファーウェイと言った中国メーカーのLTEスマホもどんどん低価格品が出てきている。それら製品はアジア各国にも勢力を増しており、欧米先進国にも進出を始めている。

これらのスマホが日本でも発売されれば、日本の格安スマホのイメージは大きく変わり、一大ブームーを巻き起こす可能性も秘めている。格安スマホは低スペック、そんな時代は過去のものになろうとしているのだ。


山根康宏