長髪に髭、サングラスはゴースト(幻)だった。

 3月7日、都内で400人近い報道陣を前に2時間半にわたって持論を展開した佐村河内守氏(50)。《感音性難聴で、聴覚障害には該当しない》と書かれた最新の診断書を公表。障害者手帳を返納して「私の嘘でご迷惑をかけた」と謝罪した。同時に、ゴーストライターの新垣隆氏(43)の告発の一部が「事実と違う」と名誉毀損で訴えると力説。その後も報道陣からの厳しい追求が相次ぎ、最後は時間切れを理由に会見を打ち切った。

 これだけ世間を騒がせた偽ベートーベンだが、まだまだ許しがたいことが……。音楽印税の事情に詳しい芸能ジャーナリストの渡邉裕二氏が語る。

「音楽家として、これまでの彼の総収入はおよそ2億円。クラシックのため、作詞印税こそありませんが、作曲印税は4%程度。新垣氏はすでに著作権放棄を宣言していますので、佐村河内氏本人が手放さない限り、彼に印税が入ります。彼本人のCDや書籍は出荷停止になっていますが、彼の楽曲が使われた映像のDVDやゲームには出荷停止になっていないものもある。今回の騒動で、そうした作品が話題になり、2次使用されることで、また音楽使用料が彼の懐に入ることになります」

 今回、佐村河内氏の“謝罪代は「ホテルの会場代と警備員、SP計7人の人件費含め、30万円前後の自腹ですんだ」(別の音楽関係者)という。逆切れ謝罪への怒りの声をあげても、“都合のいい”彼の耳には届くまい。

(週刊FLASH3月25日号)