試合 :2014年W杯 アジア最終予選 第8戦
開催日:2013年6月11日
結果 :日本代表勝利
スコア:「0−1」
得点者:岡崎慎司


FW:ハーフナー・マイク
MF:清武弘嗣 香川真司 岡崎慎司
MF:遠藤保仁 細貝萌
DF:長友佑都 今野泰幸 伊野波雅彦 酒井宏樹
GK:川島永嗣

FW:前田遼一
MF:香川真司 中村憲剛 岡崎慎司
MF:遠藤保仁 細貝萌
DF:長友佑都 今野泰幸 高橋秀人 酒井宏樹
GK:川島永嗣


やはり岡崎は代表の試合では得点を取る。技術的には巧みな選手ではなくて、この試合でもオンザボールでのプレーにはドキドキさせられたけど、オフザボールでの動きの献身性、そこが代表では得点という結果につながるのだと思う。そして、最後のところで遠藤のようなラストパスを出してくれる選手がいれば、シュツットガルトでも、岡崎はもう少し得点を取れるようになるのではないか、という事はやはりあるような気がする。但し、オフザボールの動きに良さがあるから、遠藤のようなラストパスを出してくれる選手がいれば、という事はもちろんそうなのだが、しかし、岡崎がもう1つレベルの高い選手になるためには、やはりオンザボールでの技術という事も、もう1つ2つレベルアップさせる必要はあるかなと思う。そして、そこは、これから息の長い選手になるためにも頑張って欲しいところ。

ハーフナー・マイクは、後半10分ぐらいから前田と交代となる後半25分ぐらいまで、その間の15分間ぐらいは良かったと思う。その15分間ぐらいにできていたパフォーマンスを、90分間とは言わないが、30分、45分、60分、とできるようにして行く事が、やはり課題になるのだと思う。フィジカル、テクニック、スタミナ、ポジショニング、オフザボールの動き、判断力、まずはどれか1つでも良いからレベルアップさせて欲しい。そして、清武に関しては、やはり、良いプレーはしているのだけど・・・、という壁を打ち破る事が必要かなと思う。香川とのコンビネーションからのシュート、1対2の数的不利の状況でもドリブルで仕掛けてファールを取ったプレー、そして、セップレーでのキックの質も悪く無かった。しかし、そこでのもう一歩は、やはり清武の場合は意識や気持ちではなく技術で、巧い技術から決定的な仕事ができる技術へ、そこが問われてくる事になるのではないだろうか。

香川はトップ下でのスタメン出場だった。香川の場合は本田よりも「ため」の時間が少なくなるので、そこだけを見てしまうと本田の方が機能しているように感じてしまうが、縦への速さを考えた場合には、やはり香川のトップ下というのは機能性があるように思う。フランス戦ではカウンターから香川が得点を決めた。ヨルダン戦ではハーフナーへの縦パスからその裏に入り込んだ香川が得点を決めた。そして、今回のイラク戦でも、得点を決めたのは岡崎だったが、その後ろから岡崎と同じような感じで香川も走り込んで来ていて、遠藤からのパスが岡崎へではなく香川へだったとしても、おそらく得点は生まれたのではないかと思う。もちろん、本田であったとしても、あのシーンでは同じようにゴール前へ全力で走ったとは思うが、もしあれがスピード勝負で競り合いながらのゴール前への走り込みとなっていたとしたら、やはりその場合は香川の方が本田よりも勝るのではないかと思う。

但し、そうは言っても、やはり、もう少し香川にもキープ力の向上は望まれるところで、そこはタイプの違い云々ではなく、どうしても必要になってくるのではないだろうか。マンチェスター・ユナイテッドでの試合を観ていても、本田ほどにではなくても、もう1テンポ2テンポ、香川が「ため」を作れていれば、大きなチャンスになっただろう、もしくは、その逆に、そこからピンチになる事は無かっただろう、というシーンは散見されていた。この試合でも、ターンして前を向いている間に寄せられてボールを奪われてしまったシーンがあったが、もっと速く小さく回転して前を向く、そこには向上の余地が残されていると思う。それから、これは本田にしても香川にしてもそうだが、自分一人の力で起点となろうとするのではなく、もっとCFとの連携で起点となろうとする、そういう事が必要なのではないだろうか。本田も香川も、まず見るところがサイド、という部分がとても気になる。