5日にMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島で行われた広島東洋カープ千葉ロッテマリーンズの第3回戦で、が大量発生した。
 試合進行に大きな支障は来さなかったが、試合中盤以降に増え始め、終盤は、選手が打席を何度か外す場面があった。

 試合中の珍客で思い出されるのは、米メジャーリーグ、2007年のアメリカンリーグ・ディビジョンシリーズクリーブランド・インディアンスの本拠地、プログレッシブ・フィールド(当時の名将は、ジェイコブス・フィールド)で行われた対ニューヨーク・ヤンキース戦で、羽ありが大量発生。ヤンキースの投手、ジョバ・チェンバレンに襲いかかった。
 チェンバレンはこの年、8月にメジャー昇格。19試合に登板し、2勝1セーブ8ホールド、自責点はわずかに1点とチームの勝利に大きく貢献していた。
 この試合でもヤンキースがリードしている場面でマウンドに上がったが、群がる羽ありに大混乱。2度の暴投などで、インディアンスに同点に追いつかれた。

 コミスキー・パークスカイ・ドームでも、それぞれ虫が大量発生したことがある。
 コミスキー・パークはシカゴ・ホワイトソックスが1990年までの80年間、ホームグラウンドにしていたが、1959年に虫により試合が30分間も中断。殺虫剤では効果が無く、球団は試合後に打ち上げる予定だった花火で、虫を追っ払った。
 スカイ・ドームは、トロント・ブルージェイズロジャース・センターの旧名称。開閉式のドーム球場で晴れているときは屋根を開放しているが、1990年には虫の大群に屋根を閉め、空調の温度を下げることで、虫の動きを止めた。

 わが国で1938年まで存在していた洲崎球場は、東京発のプロ野球専用球場だったが、海が近かったため、グラウンドをカニが這いずり回っていた。満潮時にはグラウンドが海水に浸かり、コールドゲームになることもしばしばあった。

 ドーム球場、人工芝がもてはやされているわが国では、このような事件は、今では珍しい。MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島の事件は、野球は本来、空の下で、自然の芝の上でプレーするものであることを思い出させてくれる。
 だが、虫嫌いの当方としては、こんな事態、できるなら直面したくないが。