2月19日で放送1000回を迎えた、お昼の情報番組『ひるおび!』(TBS系列・平日午前11時〜午後1時50分放送)。’09年3月の放送開始当初には視聴率2%台、同時間帯5位という時期もあったが、4年目に入った昨年、年間視聴率5.9%を記録し、ついに同時間帯番組トップに立った。

“わかりやすく伝える“というコンセプトが主婦層からの信頼を得て、じわじわと視聴率を伸ばしつづけたが、その快進撃の裏側を”キャスター”恵俊彰さん(48)が語った。

「”わからない”ということをテレビでどう見せるかが、僕の役割だと思っています。最初の2〜3カ月は生活情報を中心とした雰囲気だったんです。正直、その方針には戸惑っていて、これからどうなるんだ?と思っていました。それが4カ月くらいして変わってきたんです。酒井法子さんの事件がきっかけだったと思うんですが、そのころに月平均5%が達成されました。そこから少しずついまの形ができてきたんです」

当時の“変化“について、番組制作プロデューサーの志賀順さんはこう振り返る。

視聴率が最初にグンと伸びたのが、’09年の8月でした。酒井法子さんの薬物事件が起きて、そのとき麻薬の怖さなども含めて徹底的にやってみたんです。事件の収束とともに視聴率は一度落ち着くのですが、それからも、目に見えるか見えないかのような細部までこだわって作ることで”わかりやすさの精度”は上がり、平均視聴率も少しずつ伸びていきました」

そして、もうひとつのきっかけとなったのが東日本大震災だったと恵さんは言う。

「’11年3月、『笑っていいとも!』は震災後1週間放送中止になりました。そのとき『ひるおび!』はどうするか、どういう番組なのかがあらためて問われたんです。伝えることは山のようにありました。だからスタッフみんなが迷わず突き進めたのだと思います。そのとき、僕を含めスタッフみんなの、生放送というものに対する肝が据わった感はありますね」

最後に、恵さんの思う『ひるおび!』らしさとは何か聞いてみた。

「いまはスタジオショーにあると思います。僕らはお客さんをスタジオに入れてやりはじめてから、かなり変わりました。反応があることにかなり助けられています。ニュースを毎日追いつづけていると、知らない“点“だったものがつながり“線“に見えてくる。昨日の疑問が今日の放送で解決されたり、そこから新たな疑問が生まれたり。観てくださる方が増えているのも、そういう感覚でとらえてもらえているからなんじゃないかな。これからも『ひるおび!』らしさにこだわりつづけたいですね」 

(週刊FLASH 3月12日号)