2日深夜放送、テレビ朝日「やべっちF.C.」では、今月11日に、W杯アジア最終予選で日本が対戦するイラク代表を率いるジーコ監督に行ったインタビューを伝えた。

2002年〜2006年と日本代表監督を務めた後、イラク代表の監督に就任したジーコは、日本戦に向け、「日本戦は、私にとって感慨深い試合だ。日本は15年過ごした第二の祖国。つまり自分が応援するチームを倒さないといけない」と複雑な心境をのぞかせつつ、「日本と同じグループにはなりたくなかったが、そうなってしまっては仕方がない。昔、日本がブラジルを倒すために仕事をしたように、今度はイラクが日本を倒せるように仕事をするだけ」と決意を述べた。

また自軍について、「彼らには“W杯に出場できる力を持っている”といい続けてきた。今はみんな自信を持っている」というジーコは、さらにエースのユニス・マフムードの名を挙げ、「日本が少しでも気を抜くとゴールするよ。彼はワンチャンスで決められるから」と自信をみせる。

気になる日本代表について、ジーコは「キーマンは遠藤だ。遠藤はチームの心臓だ。彼がボールを動かすことで日本の攻撃が展開される。試合中、歩いているようにも見えるが、彼が試合の流れをコントロールしている。まるで足に磁石がついているかのようにボールも彼を求める」と語ったほか、本田圭佑にも言及。

「本田が名古屋でデビューした頃、代表に招集したいと考えていた。私が日本代表の監督の時に、名古屋グランパスを訪ねた。当時、監督だったネルシーニョと話をして、“代表に呼べる良い選手はいるかな?”と訊くと、“推薦するなら一人だけいる。トップチームに上がってきたばかりの選手だ”と答えた。それが本田だ。でも、ネルシーニョには、“いい選手だが、できればオリンピック代表など段階を踏んで成長させていきたいと言われた”。それ以来、ずっと彼の成長を見守った」と話したジーコは、「私がCSKAモスクワの監督だった時、会長に“VVVにいる本田を獲得すれば間違いない”と助言した。彼は、CSKAですぐに素晴らしいプレーをみせた。代表でも自信をもってプレーするようになり、決定的な選手として成長した」といったエピソードも披露した。

なお、ジーコはイラク代表監督を引き受けた理由を「イラクの国内情勢を考えて、戦争で苦しんでいる国民に協力できるということで、イラクのためにやろうと監督を引き受けた。これは私のサッカー人生で与えられた使命。サッカーを通じて争いをなくし、国を復興することができると信じている」と語っている。