和久井です。

以前、トレーニングを何倍も効果的にする方法について話しました。

今回は、偉大な選手たちが才能を開花させるまでに何年かかったのか?
初めてボールを蹴った、あるいはストリートサッカーをした時から、彼ら(とその両親)は何時間をそのキャリアに注ぎ込んだのか?


今回もサッカーに関連した傷害や病因などの研究を目的とした、FIFAが設立した医学評価研究センターの調査結果を参考にします。(要約)

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真の一流選手はその一流の実力の追求に約10年で10,000時間の練習を費やしていることがわかる。また、トップ選手はその道のりを幼児期(3〜6歳)に歩み始めるのが普通である。それより遅く始めた者は、同じ時間量を費やしても、幼児期に始めた者のパフォーマンスに追いつくことはけっしてない。

10年で10,000時間を平均すると、1年に1,000時間となる。50週で割ると、1週間あたり20時間、1日あたり3〜4時間となる。フルタイムの仕事ではないが、たいていの子供は費やせない時間であることは明らかだ。プロ選手は1日に何時間もフィールドおよびフィールド外の準備に費やす。子供のころ、偉大な選手らは、通りや公園で何時間もプレーしていたが、それが有益であったことは明らかである。

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国際レベル、国内レベル、地域レベルのサッカー選手に、スポーツの開始時および以後3年ごとについて、個人とチームの練習、スポーツ関連活動、毎日の活動に費やした時間量を思い出させた。これらの活動を、パフォーマンス向上、努力、必要とする集中力、楽しみという見地から評価した。

すべての群はサッカーを6歳で始め、チーム練習に7歳頃(サッカーを始めてから平均1年後)から参加したことがわかった。また、プロ選手はトップレベルのチームでプレーするようになるまでに10年以上かかったことも明らかになった。卓越したパフォーマンスとみなされるレベルに達するには10年以上かかるという結果(「10年ルール」)は、数多くの分野で確認されている。

選手がどのくらい練習するかを検討する1つの方法は、各年齢でふつう練習する週あたりの時間数を検討することである。技術レベル間の全体的な有意差は、サッカーを始めて12年後から認められた(国際 = 9.2時間/週、国内 = 6.9時間/週、地域 = 4.1時間/週)。キャリア全体をみると、国際選手のチーム練習が有意かつ前進的に増加したのは、9歳(5.9時間/週)から12歳(9.2時間/週)を経て15歳(11.5時間/週)にかけてであった。

経験年数との関係でみたチーム練習に費やした週あたりの平均時間数サッカーを始めてから約10年後に、非常に重要なキャリア上の決断が行われる。始めてから9〜12年後(19歳)がキャリアの分岐点となるようであり、国際選手はチーム練習に費やす時間量が急激に増加する。

この変化の一因は、サッカーのプロ養成システムにある。将来の若年選手は、さらに若い年齢(例:16歳以下)でサッカーのプロになることを決断しなければならなくなるだろうか。同様に、選手がプロリーグに進めないことを認識すると、この期待の低下が練習パターンに反映される。また、この時期は学生が大学に入学したり、就職したりするため、練習に費やす時間が減少する時期でもある。

経験年数との関係でみた累積練習時間技術レベル間で比較すると、サッカーを始めてから10年後には、国際選手(4,587時間)と地域選手(3,306時間)の間に顕著な差があった。技術レベルによる全体的な差は、始めて13年後から認められた(国際 = 6,328時間、国内= 5,220時間、地域 = 4,081時間)。始めて18年後の国際選手、国内選手、地域選手の累積練習時間は、順に9,332、7,449、5,079時間であった。

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