試合 :ロンドン五輪 グループステージ 第1戦
開催日:2012年7月26日
結果 :U−23日本代表勝利
スコア:「1−0」
得点者:大津祐樹

○ U−23日本代表

FW:永井謙佑
MF:大津祐樹 東慶悟 清武弘嗣
MF:扇原貴宏 山口螢
DF:徳永悠平 吉田麻也 鈴木大輔 酒井宏樹
GK:権田修一

FW:永井謙佑
MF:齋藤学 東慶悟 清武弘嗣
MF:山村和也 山口螢
DF:徳永悠平 吉田麻也 鈴木大輔 酒井高徳
GK:権田修一


素晴らしかったですね。トゥーロン国際で得た2つ事。個としては、脱アジアレベルの選手たちとの1対1、その強さや速さや巧さを経験した事が、やはり活かされていると思います。そして、組織としては、守備面で左SBとCB、そこにOA(オーバーエイジ)の選手を入れて、それによってきちんと守備の安定感を高める事に成功した。まずは、この部分を上手く修正し高められた事が、この試合の勝利に繋がったと思います。

更には、ニュージーランド戦での失敗から、本大会では同じミスを絶対に繰り返してならない、という意識の高まりを得た事も、やはり大きかったと思います。そして、そこから今度は、ではどうやって本大会では戦うのか。まずは初戦のスペイン戦ではどう戦うべきなのか。その答えを求めてベラルーシとメキシコと戦い、しっかりその2つのテストマッチで答えを見つけられた事。そこも、この試合の勝利に大きかったと思います。

個としても組織としても、日本がやらなければならない事はハッキリしていました。1つには、8人もしくは9人で、まずはしっかり守備をする事。バイタルエリアで起点を作り、サイドの選手がダイアゴナルな動きでゴール前へ入って行く。それが基本的なスペインのサッカーの攻撃方法なので、その2つをやらせなければ、その2つにしっかり守備対応できれば、スペインの攻撃力を削ぎ落とす事ができる。

そして、2つには、スペインはGKからでも、必ず足下で繋いでビルドアップする、攻めようとする、という事もありますから、そこに対して、スペインのGKやCBの選手に対して、必ずハイプレスを仕掛ける、という事。やはりこれをしっかり威力を持ってやれた事で、スペインの攻撃の組み立てを多くの場面で封じ、更には、そこでボールを奪えた事で、多くのチャンスを作れたばかりか、スペインに退場者を出させました。

それにしても、この試合の1トップだった永井は凄かったですね。こういう試合であればこそ、永井という選手の1トップが最高に活きた、という事もありましたが、それでも永井のスピードと献身的な守備というのは、やはりこの試合の勝利に対して、その貢献度が高かったと思います。モロッコ戦とホンジュラス戦では1トップに誰を起用するのか、そこはまだ相手によるとは思いますが、この試合では、永井の1トップは大成功だったと思います。

もちろん、永井だけではなく、その他の全ての選手に関しても、この試合でのパフォーマンスは高かったと思いますし、また、吉田と徳永、この2人のOAの選手の活躍というのも、永井と同じぐらい、この試合の勝利という結果に大きかったと思います。ロンドン五輪を戦うこのチームというのは、招集に関する制約が多く、なかなかチームとしての積み上げができなかった訳ですが、トゥーロン国際後から短い時間でベターなチームは作り上げる事ができた。そう評価できるかなと思います。

但し、これはあえて言う必要も無いとは思いますが、初戦で勝点3を得たからと言って、スペイン相手に勝利したからと言って、まだグループステージを突破したわけではない。思い返してみれば、アトランタ五輪では、日本は初戦でブラジルに勝利し、3試合で2勝1敗だったのにも関わらず、グループステージで敗退してしまいました。つまり、そういう事が起こる可能性もあるので、次の試合でも地に足を付けて、しっかり戦って欲しいと思います。