ピーター・アーツの引退試合は、ベネルクスに限定されたが……、何よりもタイロン・スポーン戦でまだ戦えるという印象をファンに与える必要がある (C) WORLDKICKs

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30日(土・現地時間)、ベルギーのブリュッセル、ナショナルフォレストで行われるIt’s Showtime57&58。5月末にGloryがスウェーデンで、新生K-1がスペインでスタートを切ったが、欧州&世界のキックを昨年1年間支えてきたイッツショータイムも、ベルギーでビッグマッチを行う。

通常1部はローカル・ファイター、2部が国際マッチという形式で行われるイッツショータイムだが、今回の大会は1部から国際戦や世界戦が用意された2部形式で開催される。2大会を通してオオトリとして組まれたのは、ピーター・アーツとタイロン・スポーンによる新旧ヘビー級トップ対決だ。

この試合、当初はイッツショータイム側ではアーツの引退試合としていたが、その後、アーツがGloryと契約し、現役続行の意思が明らかになったためベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)における最後の試合という微妙な付加価値がついている。

日本でK-1が開催されなくなったことで、キックから身を引くという発言をしたキックボクサーの多くが、新生K-1とGloryのスケールアップで、その身の振り方を再考察している。もちろん、目の前に再びチャンスが広がったからだ。

そんななか、やはりファイターとして商品価値を守るのは、過去の実績以上に現状の力がモノをいう。K-1に代わりキック界の盟主の座を狙うGloryはアーツだけでなく、レミー・ボンヤスキーとも契約するなど、レジェンドを揃えつつある。41歳のアーツが、Gloryで余生を過ごすつもりなのか、最後に一花咲かせるために契約を結んだのか、その意気込みを知ることができるスポーンとの一戦になる。

今のところ新生K-1をサポートする姿勢を見せているイッツショータイムだが、キック再編へ、いくらでも地殻変動の兆候が見られる。そんななか、キックファンにとっては見逃せないアーツ、そしてイッツショータイムになる。
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