まだ穏やかなクラクフ通りの広場
6月16日、UEFA EURO 2012TM サッカー欧州選手権(以下、ユーロ2012)のグループAはリーグ最終戦に突入、ポーランドの首都ワルシャワでは、先日サポーター同士の大喧嘩の様子がYoutubeにアップされたロシアと前々回の大会王者ギリシャの試合が開催される。

とはいえ、サポーターたちの喧騒であふれているのはナショナル・スタジアム・ワルシャワにつながるストリートばかり。実際にワルシャワセントラムからトラム(路面電車)で10分ほどのヴィラヌフ宮殿と庭園の周辺、ワルシャワ ワジェンキ公園、クラクフ通りを巡ってみたが、まったくの平穏そのものであった。


この3地域を簡単に説明すると、ヴィラヌフ宮殿と庭園の周辺はいわゆる高級住宅街で、落ち着いた雰囲気の地区だ。このあたりのレストランはワルシャワセントラム周辺にあふれるファストフードよりも若干値段は高いが、味は折り紙つき。正統派のポーランド料理を食べさせてくれる。

ちなみに、ポーランドの食事は、ピエロギという餃子のような食べ物が有名だが、現地の人に言わせると、それは間違いらしい。むしろジツェズナという野生の鹿やカモ、キジ、魚、野菜、きのこなどの料理(トマトソースで煮込んだものやクリームで味付けをしたもの)の方が好まれているという。


そしてショパンの野外コンサートや水上宮殿のあるワルシャワ ワジェンキ公園も近隣住民にとっては閑静な憩いの場。ただ、現在のポーランドの若者の間ではロックやヘビメタルがはやっていて、ショパンの音楽について詳しい人は少ないとされる。そのため、公園内にあるベンチは住民にショパンの音楽を知ってもらうことを目的に曲名が彫刻され、そこにふれると電子音の楽曲が鳴る仕組みとなっている。


最後はクラクフ通り。ここは歴史的な建造物やオープンカフェが立ち並ぶ。ヨーロッパ各国から観光客が集まると言われている美しい街だ。ここはスタジアムに近いこともあり、ほとんど全てのカフェで試合を観戦できるのだが、それでも、情緒あふれる街並みのためか、優雅な印象を隠せない。


とは言え、試合開始2時間ほど前になれば、ロシアサポーターを中心に騒ぎ始めた様子だ。現在Aグループではポーランド、ロシア、チェコ、ギリシャの全チームにリーグ突破の可能性が残されている。この優雅な街ワルシャワで4カ国の運命をかけた一戦が始まろうとしている。

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