中国では「彭宇事件」などの「倒れた老人を助けただけなのになぜか加害者として訴えられた」といった事件が大きく報道されていることから、「倒れている老人を手助けするとロクなことにならない」というイメージが固まってしまっているそうです。

 これは中国の社会でも頭を抱えたくなる問題と認識されているようで、ネットではそれを嘆くやり取りも見かけます。

********* この間、道に倒れている老人を見て、助けるかどうかで悩んでしまった。その時は私が躊躇っている間に別の人が動いてくれたので、私は後からその手伝いをするだけでよかったんだが、助けるかどうか悩んでしまった自分が何と言うか情けなくて……

 スレ主、お前は十分によくやった。俺だったらたぶん120に電話して救急の連絡して終わりにしてしまうと思う。(訳注:中国の救急医療の番号は「120」です)

 「自分が事故の原因ではない」と証明しなければならないかも……と考えると助けるのは怖いな。自分が正しくても訴えられて必ず勝てるかとなると……

 裁判になってしまった場合、全く準備なしでその場に出れば潔白を自動的に証明してもらえるというわけではないし、勝つというか負けないための準備が必要になるからな。しかも費用だけでなく面倒な手続きはあるし、時間も取られるしね。

 いったい何時からウチの国では「倒れた老人を助けるのは危険」なんてことになっちまったんだろう……

 周囲にカメラが無い状況で「良い人」をやろうとするのはリスクが高い。

 「倒れた老人を助ける」ことって、ゆすりのケースの他に、治療費や生活費用の問題があったりするから目の前の金づるになり得る存在に対して全力で来るケースとかがあるからな。ちょっとした善意で助けるのは危険だと思ってしまうのは確か。

 倒れた老人がいたら助けない方が良いという現実。小さい子にはこんなこと学んで欲しくないんだが、実際のリスクを考えるとね。

 ウチの国の爺さん婆さんは本当に恐ろしい。ちょっと助けただけで数万、数十万元、しかも裁判付き。誰が助けようとするかよ。

 私は120の救急電話だってやりたくない。結局最後には「もしお前がやったんじゃなければ、なんで電話したんだ?善意とかありえないだろう」とか言われかねない。

 私は今の所そういうヒドイ話に出会ったことは無いから助けるよ。でも、まずは周囲の人に証明する写真かなんかを取ってもらってからだね。

 直接の手助けがヤバイんなら、もういっそのこと「何か遺言はございますか?」とでもやった方が良いんじゃね?

 やはり無視するのが安全か……正直そんな選択はしたくないから、そういう場面に出くわさないことを祈ってしまう。*********

 ちなみにこの「訴えてくる」というケース、いわゆる当たり屋的なものだけでなく、ケガをしたことによる生活苦からなりふり構わずというケースも少なくないという話があります。

 なんともやりきれない話ですが、じゃあどうすればいいのかと言われると具体的な方法もなかなか無いというのがまた……(執筆者:百元籠羊)