いまや2人に1人ががんに罹る時代。それを売り文句にがん保険が大々的に売り出されている。しかし、そもそも2人に1人ががんに罹るなら保険は成立するのか?「がん保険を疑え!」を刊行した「生保のご意見番」後田亨氏が、5回にわたりがん保険のなぜに迫ります。今回の第一回目は、生保会社が、膨大な宣伝費をかけてがん保険を売る謎に迫ります。

 がん保険は、保険会社が儲かってしかたがない商品なのではないか?

「2人に1人ががんになる時代」「がんは今や国民病」といった言葉を枕に語られている「がん保険」のパンフレットや保険会社のホームページを見るたびに、そう感じます。

「がん」にかかる人が増える一方であれば、「がん保険」は商品として成立しなくなるだろうに、派手に宣伝されているのはなぜだろうか、と不思議に思えるのです。

 たとえば、「保険に入れますか?」というお客様の問い合わせに対して、次のような回答が考えられます。

「お仕事は事務職ですね。問題ありません。」

「警察官ですか。お引き受けできますよ。」

「バイク便…弊社では、入院なさった場合の保障は1日1万円ではなくて5000円までになっています。それでもよろしければ…」

「トンネル作業員…残念ながら入院の保障は付けられません。死亡も1000万円までです。ご理解願います。」

「プロボクサー!? 申し訳ございません。何も入ってもらえません。」

「レーサー!? スタントマン!? 探検家!? 以下同文です」


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