■ クウェート戦のメンバー発表
6月19日、6月23日に行われるロンドン五輪のアジア二次予選のメンバー22名が発表された。敢えていうと、柏レイソルのMF大津の落選と、川崎フロンターレのMF登里の選出がやや意外だったが、チームの中心として期待される選手は、順当に選ばれた。H&Aの一発勝負で、負けるとロンドン行きの可能性がなくなってしまう大事な試合なので、これまでの試合で結果を残してきた選手やJリーグで好調を維持している選手を無難に選んできた。
ベンチ入りできるのは18名ということで、ここからベンチ入りを賭けた争いもスタートする。GKを4人選んでいるのが目につくが、おそらく、川崎FのGK安藤をそのまま招集できるかどうか、招集してもいいのかどうか、最終判断に至っていないと想像できる。
GK安藤は、先日のG大阪戦でゴールマウスを守っている。五輪予選に参加すると、しばらくチームを離れることになるが、クラブでレギュラーをつかみかけているところで、クラブを離れてしまうのは、好ましいことではない。たとえ、五輪予選に参加しても、GK権田がいるので、サブに回る可能性も高い。
毎度のことであるが、五輪世代は、成長期にある選手が多いので、短い期間で急激な成長を見せる選手もいる。もちろん、その反対で、期待通りに成長することなく、停滞してしまう選手も出てくる。したがって、今回は、この22名が選出されたが、予選を戦っていく中で、メンバーは大きく入れ替わってくると思われる。
五輪代表は、現在と未来のバランスをうまくとりながら、メンバーを選んでいくことが求められるので、関塚監督も大変であるが、やりがいのある仕事で、日本人の中では実績のある監督なので、大きな間違いをすることはないだろう。
ということで、今回はこの22名が選出されましたが、「今後、こんな選手を関塚ジャパンに選んでみたら面白いのでは?」と思う選手を、以下で、挙げてみました。「現時点」というよりも、少し未来を見据えたメンバーで、きっかけさえあれば、五輪代表チームに絡んできても不思議ではないと思われる選手が中心です。

? FW大前元紀 (清水エスパルス)
 → オフに、FW岡崎、MF藤本ら主力が流出したこともあって、今シーズンから、背番号「11」を背負っているが、ここまで、8試合で2ゴールをマーク。バイタルエリアでボールを受けるプレーと、ドリブルで仕掛けるプレーは、体格の大きな選手には威力を発揮しそう。「ゴール」という結果を残していけば、選ばれるチャンスは出てくる。
? MF茨田陽生 (柏レイソル)
 → ここまで、J1で5試合に先発出場。柏レイソルは中盤の層が厚く、まだ、試合ごとに波もあるので、レギュラー定着までは至っていないが、チームの首位に貢献している。何気ない1つのパスで試合の流れをコントロールすることができる点が最大の魅力で、「攻撃的MF」と「ボランチ」でプレーする。ロンドン世代はボランチに人材を欠いているので、抜擢されるとすると「ボランチ」だろう。
? DF丸橋祐介 (セレッソ大阪)
 → 昨シーズンと比べると、判断ミスが多く、不本意なパフォーマンスに終わる試合が多いが、左利きで、これだけキックの種類の豊富なサイドバックというのは貴重である。不安視される守備も、ACLではまずまず無難にこなしていていて、アジアレベルであれば、大きな問題にはならない。チームには、左利きのプレイスキッカーもいないので、コンディションが戻ってくると、五輪代表でも、大きな戦力になるはずである。
? MF岡本知剛 (サガン鳥栖)
 → U-16日本代表のときから、高く評価されていたボランチであるが、プロ入り後は、出場機会に恵まれず。不本意なシーズンを過ごしていたが、移籍先の鳥栖では全試合に先発出場。レギュラーをつかんだ。キックの正確さは目を見張るものがあって、トラップ等の基本技術もしっかりしている。守備でも効いていて、穴の少ないボランチである。「誰か一人だけ」と言われたら、一番に推したい選手である。
? MF齋藤学 (愛媛FC)
 → 横浜FマリノスからJ2の愛媛FCに移籍してブレーク。ここまで9試合で3ゴールと乗っている。バイタルエリアでボールを受ける動きは、Jリーグ全体でも屈指のレベルであり、スピードに乗ったドリブルを武器に、愛媛FCの攻撃の核となった。運動量もあって「かき回し役」としても期待できる。今後、マークが厳しくなっていくことが予想されるが、その中でどれくらいできるか。
? MF宮澤裕樹 (コンサドーレ札幌)
 → U-20代表では、フォワードでプレーし、主力級の立場でプレーしていたが、その後は、伸び悩んで、代表からも遠ざかっているが、ポテンシャルは高い。札幌ではボランチにコンバートされたが、2009年以降、中心選手としてプレーしており、経験は積んでおり、「高さ」と「キープ力」には魅力がある。人材を欠いているポジションなので、一度、試してみても面白い。
? MF水沼宏太 (栃木SC)
 → メディアは、MF宇佐美やFW宮市の落選の方を話題にしているが、個人的には、MF水沼が選ばれていないことの方が驚きである。アジア大会の金メダルにも貢献し、栃木SCでも完全にレギュラーに定着。「違い」を見せられる選手になりつつあるので、ここにきて、五輪代表から外れるようになっているのは意外である。ライバルは非常に多いが、今後の巻き返しに期待したいところである。
? MF田邉草民 (FC東京)
 → まだ3試合であるが、彼が、スタメンに入るようになって、どん底に近かったチームは上向きになった。「2.5列目」的なポジションに入って、3試合で3ゴール1アシスト。愛媛FC戦では鮮やかなダイレクトボレーを決めてみせた。悩めるチームを浮上させていく中で、自身もパワーアップできれば、五輪代表入りも見えてくるのではないか。
? FW川又堅碁 (アルビレックス新潟)
 → この世代も、センターフォワードに人材を欠いているが、化けたら面白そうなのが、新潟のFW川又である。183?の長身で左利き。前線でパワー溢れるプレーを見せる。新潟は、毎年、アタリ外国人を探してくるので、なかなか、出番が回ってこないが、シュート意識の高さも魅力で、「きっかけさえあれば・・・。」という選手である。
? FW久保裕也 (京都サンガ)
 → チームはJ2で1勝6敗2分けで19位と大低迷しているが、FW久保は、8試合で3ゴールをマーク。チームで、数少ない明るい話題となっている。3トップの中央でプレーしているが、なかなか、前線までパスが来ないので、フラストレーションのたまる試合が多いが、ボールが来れば、十分なプレーを見せている。1993年12月生まれなので、ロンドン世代ではなく、2016年の「リオ五輪の世代」となるが、このタイプは不足しているので、大抜擢もありえない話ではない。


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