スパコン登場!文科省が「海域における放射能濃度のシミュレーション」を発表

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(図1:JCOPETによる濃度分布シミュレーション)

文部科学省と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は12日、「海域における放射能濃度のシミュレーションについて」という資料を公開しましたので元ファイルの場所をご紹介します。

海域における放射能濃度のシミュレーションについて
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304938.htm

簡単に言えば、東電の発表した海水の放射能濃度をもとに、汚染水がどのように流れて濃度が変化していくかをシミュレーションした資料、ということになります。

文部科学省はこれまでも各地の線量モニタリングデータを随時公開するなど、原発事故に関して積極的な調査と情報開示をおこなってきました。さらに文科省は3月23日より福島第一原発沖海域のモニタリングを実施しており、陸も海もカバー。そして今回はJAMSTECと共に、原発周辺海域における放射性物質の流れ、拡がりについてのシミュレーション結果を公開しました。4月8日までのモニタリング結果の実測値を反映し、5月15日までの動きをスーパーコンピューターで計算したそうです。この海洋予測システム「JCOPE2」は、過去の海流をさかのぼって表示したり、未来の海流を予想したりできるスグレモノのシステム。海洋汚染シミュレーション「JCOPET」は、これらを高解像度化して潮汐と海上風の影響を勘案することができるシステムなんだそう。どちらもJAMSTECが開発したものだということです。なんかスゴい。

海域における放射能濃度のシミュレーション(JCOPE2)
(図2:JCOPE2による放射能濃度分布のシミュレーション)

今回の予測は、実測値をベースにしながらも、条件は「4月12日に汚染水の放出が止まる「海面のみで拡散するものとする(下に潜らない)」「空から降ってくる放射性物質については考慮しない」という仮定の状況のもの。シミュレーションではゆっくりと沖合に拡散しながら移動する様子が予測できたとのことです。漁業などに役立てるため、今後さらに精度を高めながら情報の提供を続けていくそうです。




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