今回の【ドラマの女王】は、ついに始まったTBS系土曜20時枠『ゴッドハンド輝』。思ったとおり、原作マンガのイメージをぶち壊す出演者陣にびっくりの記者。変な髪形の平岡祐太、演技もヘアーもいまいち?な別所哲也を筆頭とするベテラン俳優たち。彼らによってただでさえクサイつくりのこのマンガの世界がもっとクサいものになっている。しかもスピード感ゼロで、笑いや明るさは無いわ、水川あさみの声は聞きづらいわで、早くも今クールドラマ・ワースト1は決定か?

現在も「週刊少年マガジン」で連載中の山本航暉の人気マンガ『ゴッドハンド輝』。幼い頃、飛行機事故で天才外科医の父が身代わり死に、ただひとりの生存者である主人公の真東輝・テル(平岡祐太)。テルは、やがて父と同じ医学の道へ進み、新米外科医として、父の古巣ヴァルハラ病院で働いている。

原作マンガでは、テルの彼女の看護師・綾乃(村川絵梨)がヒロインなのだが、それじゃ安っぽいドラマになってしまうので、原作ではわりと後発な女性の登場人物、四宮梢(水川あさみ)が平岡の輝とダブル主演のような形でキャスティングされている。マンガでは梢の兄である四宮慧という人物がテルのライバルとして出てくるのだけれど、予算の都合かそれはカット。水川がライバルの役も兼ねている。そしてその水川が演じるエリート医師梢が「ギスギスとうるさい声」で叫び、ちっとも可愛くない。『33分探偵』の時の水川とは正反対である。

他の女性陣も無名すぎてパッとせず、まったく華のないキャスト。なんか週末のドラマとしてで驚くほど“豪華さ”を感じないのだが、梢のそのまた兄として出てくる、四宮蓮という人物をなぜか要潤が友情出演している。もう出し惜しみしないで「ライバルが要潤でいいじゃん。」という気さえする。

キャストの問題は置いといて「話が面白いか」というと、そういう訳でもない。
記者ははっきり言って、この偽善に満ちた原作マンガの世界が大っ嫌いなのだが、昨今、病院を取り巻く“世知辛い世の中”に於いてこのマンガはそれなりに医師と患者の心温まる触れ合いを描いていて、社会的に悪いものでは無いと思う。しかし、せっかくやさしい感じのイケメン、平岡を起用したにもかかわらずその辺がスルーだ。

まだ第二回目だから仕方がないが、ドラマでは窮地に追い込まれたテルが、“不思議なパワーで患者を救う”という、サイコ的な部分ばかりが強調され、本来テルの持つ人間的な優しさや大きさが分かりにくくなっている。それは残念だ。

そしてやっぱり主人公“テル”の印象が薄い。
女性に奥手なテルは一見「草食男子」ではあるのだが、医療についてはどこまでも強気で死にそうな人をも生き返らせるパワーのある男。人を救う事にかけてはライオンのように貪欲な「肉食男子」なのである。その強弱が今の平岡祐太では出しきれてない。『キイナ〜〜』。の時の方がまだ良かった。

こういったマンガ的な役は、やっぱりジャニーズ系のアイドルなど分かりやすいキャストでドラマ化した方が成功しやすい。はなからの人気者を使い、原作を知らない人をどれだけ引き込めるかが視聴率獲得の「鍵」にもなっているからだ。

前クール『RESCUE~特別高度救助隊』で主役をKAT-TUN中丸雄一が演じて“ジャニーズ旋風”に一旦取られたTBS土8枠。せっかく正統派俳優が返り咲いて平岡祐太が初主演できたのだから、ドラマ中盤、後半の展開では他のタレントにない平岡のもつ魅力をもっと存分に見せてほしい。

今の状態じゃあ、ゴットハンド(神の手)を持つには「荷が重過ぎる」のだはないか。
(編集部:クリスタルたまき)

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