2012年ユーロ開催国であるポーランドで外国人排斥の波が急速に巨大化している。同大会準備委員会は、緊急の深刻問題として検討しなければならない事態になりつつあるようだ。スタジアム建設とインフラ整備の遅延問題に加えて、UEFA会長プラティニにとって新たな頭痛のタネになるだろう。警告を発したのは、ポーランドの首都ワルシャワの1部リーグチーム『レジャ』の会長レズデク・ミクラスだ。
「ファンの20%は、極右勢力のネオナチなのです。有色人種選手が次つぎにポーランドを後にするほど、状況は深刻になっています」

 問題の深さは、スタジアム内での野次や挑発にとどまらない点にある。レジャに所属するジンバブエ出身のディクソン・コートは賃貸住宅を探す際、有色人種であるという理由ですべての不動産屋から断られた。コートは言う。
「毎週日曜に起きること?数えるまでもない。俺は猿扱いされるし、客席からバナナの皮が飛んでくる」

 信じられないことに、コートが度重なる侮辱行為に対して客席へ抗議したところ、ポーランド警察が拘束し留置場へたたきこんだのは、犯人ではなくコートだったのだ。
 4年後、このような国でユーロが開催される。代表チームの人種融合が進んでいるフランスやオランダ、移民を多く送り込んでいるトルコといった国がらみの試合開催は、今からすでに危険視されている。