「ホカベン」とは、なりたてホカホカの新米弁護士をさす言葉。
弱者の立場からものを見ようとする新米弁護士・堂本灯を、上戸彩が演じる。今までの出演作品から考えると、コメディ路線に強いイメージの上戸。今回のシリアス社会派ドラマで、女優としての新境地を開拓できるか。


「ホカベン」は『イブニング』で連載中(現在休載中。4月から最終章連載予定)、作・中嶋博行/画・カワラニサイの人気コミックだ。

大手弁護士事務所「エムザ」の『プロボノ』セクションに配属された主人公・堂本灯。
社会的弱者の立場に追い込まれた依頼人を助けたい、力になりたいと熱い気持ちで仕事をはじめるのだが、想像していた弁護士の世界とはまったく違うリアルがそこにはあった。

上戸演じる主人公堂本は、原作では男性。ドラマ化に合わせて女性に変更されたわけだが、これが吉と出るか凶と出るか。
理想と現実のはざまで揺れる新人を描いたドラマで思い出すのは、同じ日テレの「バンビーノ!」。
主人公を演じた松本潤の演技はみずみずしく繊細で、考えずとも引きこまれる強い力があった。
「ホカベン」で理想に燃える新米弁護士を演じる上戸の演技は、ハツラツとして小気味いいものだが
欲を言えば何かが足りない。
主人公・堂本灯が持つ青さに強い反感を抱くわけでもなければ、手放しで応援したくなるわけでもない。
中途半端な感が否めない。

脇を固める北村一輝・戸田菜穂ともにクセのある、現実を冷静に見つめる大人として描かれているだけに、上戸の熱血ぶりがもっと浮かび上がって見えてもいいと思うのだがどうだろう。

「弱い」立場にある人々を「助けてあげたい」という考えは自分の思いあがりであり、上からの目線でしかないと気づいた主人公がこの先どう戦っていくのか。

回を重ねるごとに成長していくだろう主人公の姿に上戸を重ねつつ、次回に期待したい。

(編集部 松本直樹)

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