タレント北野誠がプロデュースしたお笑いライブ「誠魂(まことだましい)Vol.1」のPRにオリコン本社を訪れた。同企画への思い入れを語る中、お笑いブームで活躍する若手芸人のギャグに頼る芸風では限界があると危惧した。

北野自身が企画、MCも担当する「誠魂Vol.1」(4月20日(日)大阪・御堂会館にて14:00開演)のキャッチコピーは「ホンマにオモロイ『松竹』を体験せよ!」「北野誠ガチンコ推薦!知名度や流行にとらわれず、ただ『ホンマにオモロイ』という基準だけで選ばれし松竹の精鋭たち。新作ネタや創作落語のみの真剣勝負だ!」である。
この企画には芸暦20年を越えるベテランタレント北野誠のお笑いへの思いが込められているのだ。
「(笑いを)板の上で作りこむ良さを知ってもらいたかった」
「ここ10年で、長いネタを披露する番組が消滅してしまった」
「今のネタ披露って、5分が限界でしょ。M-1グランプリだって5分程度。時代の流れもあるけど(お笑い番組で)視聴率を取れる瞬間ってやっぱり限られてくる。でも、本当にそれで面白いのか?ずっと疑問を感じていた」
とPRの中でのコメントにもお笑いへの思い入れを感じた。

北野誠は1959年生まれ(48歳)、京都産業大学在学中に漫才コンビ「誠&がっしゃん」を結成してテレビ出演もしていたが、卒業後解散し誠は松竹芸能に所属した。
現在は「ラジかるッ」「探偵!ナイトスクープ」などテレビ5本、「誠のサイキック青年団」などラジオ2本、に出演。2006年から怪談集も執筆するなど活躍している。

番組出演で若手芸人とも交流が多い北野だけに今のお笑いに対してダイレクトに感じる部分があるようだ、「今の若い芸人さんは、ギャグがないと(ブレイク)は難しい。でも、それが”受ける”ってのは1から2分が限界。お年よりの方が『世界のナベアツ』を理解して楽しめるかな?(ギャグに頼らない)場所でも笑いの面白さは存在するんです」
と”雰囲気”が笑いの基準となっている現状を危惧していた。

テンポやリズムが求められる昨今のお笑いブームに逆行するかのように「多角的にお笑いの良さを伝えたい」という彼は2011年の地上波デジタル放送完全移行についても「テレビもラジオもこれから過渡期を迎える。特にテレビは、チャンネル数が増える事によってコンテンツ不足に陥る事も十分考えられる。そういう中で、このイベントが新たなお笑いのコンテンツとしての役割を担えればって思うんです」と熱く語ってくれると最後に、
「若手にもここの舞台を目指して貰えるようになったら嬉しいですね」と笑顔を見せてくれた。

誠魂Vol.1詳細
http://www.shochikugeino.co.jp/makotodamashii/

( 編集部 TAKESHI )