日本人として約4年振りとなるUFCメインへ出場した岡見

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6月16日(土・現地時間)、北アイルランド・ベルファーストのオデッセイ・アリーナで行なわれたUFC72で、強豪リッチ・フランクリンに敗れた岡見勇信のコメントが届いた。

1&2Rとリッチ・フランクリンにポイントを譲り、3Rの反撃も及ばなかった岡見は、自らが攻めるべきであった2Rの攻防に問題があったことを明らかにした。

――試合の印象を聞かせてください。
「ジェイク・シールズと闘ったときと、同じミスをしてしまった」

――ミスというのは?
「2Rに組み付くことに成功したときに、自分はもっと動くべきだった。3Rにできたことを、2Rにもすべきだった」

――なぜ、動けなかったのでしょうか?
「う〜ん、今は説明できないです。まだ、何がどうなのか判断できていない」

――リッチ・フランクリング選手が、強かったところは?
「凄くバランスが良かったです。でも、何よりも全体的に試合をコントロールできる力ですかね」

――これで連勝が途切れてしまいました。
「戦績については、とりわけ思うところはないのですが、この試合に負けたんで話にならないです」

――ダナ・ホワイト代表は、大会終了後の会見で「リッチ・フランクリンの次の試合はタイトルマッチ。7月7日のアンデウソン・シウバとネイサン・マーコートの勝者と闘うが、アンデウソンが闘うことになるのでは」と言っていました。
「リッチ・フランクリンもアンデウソン・シウバも、どちらもスタンドを主体に闘う選手ですが、アンデウソンの方が上だろうと思います」

――王座が遠ざかったことは確かです。今後、UFCでどのように闘っていきますか。
「そうですね、UFC云々でなく自分の人生を考えないといけないです。前UFC世界王者のスピリットに触れ、パワーや戦術を今後の自分に活かしたいです。何より、自分がそうあるべき姿勢をリッチ・フランクリンは持っていました。この経験を今後、活かさないといけないですね」

 勝利を掴むことで、UFCでのキャリアを重ねてきた岡見。この試合も、タイトル挑戦をするために彼が選択した戦略――、これまでのように闘うということは、決して間違いないではなかった。だが、2Rを劣勢で終わり、3Rに極めることができなかったのであれば、今後は彼は闘い方を見つめなおす必要があるだろう。

 これでタイトル戦線から、一歩脱落したことは確かだ。そして、黒星がついた彼がすべき選択の一つに、ファンに受け入れられる試合をするということも含まれる。
 4月のUFCテキサス大会、ADCC日本予選、そして5月UFC世界大会と休むことなく走り続けてきた岡見。痛い敗北であることは違いないが、彼の頂点を目指す気持ちがぶれない限り、この敗戦はきっと活きてくるに違いない。


 なお、大会終了後の記者会見でUFC×PRIDEのメガファイトに関して質問されたダナ・ホワイトは「年末? そのために動いている」と応えている。また、ダン・ヘンダーソン×ランペイジ・ジャクソンを行なうが、ジャクソンとリデルは既に2度対戦しているので、すぐに再戦は組まない意向も明らかにしている。
(協力・礒野元)