オリックス<8591>は1日、格安理髪店チェーン「QBハウス」を展開するキュービーネット(東京都中央区、岩井一隆社長)に資本参加すると発表した。同日までに創業者の小西国義名誉会長、携帯電話販売事業などを手掛けるビーアイジーグループ(BIG)<9439>の2大株主から発行済み株式の73.9%を取得した。

 オリックスは同日付で非常勤の取締役2人と常勤職員3人を派遣、今後は経営陣に株式5%程度を譲渡する形でMBO(経営陣による自社買収)を支援し、2〜3年で株式上場する考え。同社では、今回の事案について「創業者が外部から招いた社長に事業継承するにあたり、支援を要請された」と説明している。

 キュービーネット株式をめぐっては、BIGが今年3月25日、33.7%を保有する投資会社ファースト・コール・パートナーを、同月初旬に業務提携したばかりの投資会社BSL<3113>から買収。BIGはもともと傘下にあった美容サロンチェーン「モッズ・ヘア ジャパングループ」との相乗効果が十分に見込めないことを理由に、6月29日付でファースト社保有のキュービーネット株すべてをオリックスに売却していた。

 キュービーネットは1995年末に創業、翌年に「10分1000円」を売りにした理髪店「QBハウス」第1号店を東京・神田に開店した。全国の主要駅構内や大型ショッピングセンターなどに出店し、国内338店舗、海外21店舗を展開する。05年6月期決算では、売上高37億9200万円(前期比39%増)、営業利益3億5600万円(同9%増)、経常利益3億5700万円(同6%増)だった。【了】